DAWとは?
DAW(Digital Audio Workstation)とは、デジタル・オーディオ・ワークステーションのことです。
wikipediaでは、
デジタルでの音声の録音、再生、編集、ミキシング等の一連の作業が出来るように構築された一体型のシステムを差す。
と記載されていますが、これだけだとわかりにくいですね。
僕なりに、簡単にまとめると、
一般的に音楽制作の中心となるソフトウェアを指します。
音声の録音から編集、ミキシングはもちろんの事、ソフトウェア音源を鳴らしたり、音にエフェクトをかけたり、ソフト音源を鳴らすためのMIDIデータの作成(パソコン用の楽譜みたいなもの)、音圧を調整するマスタリング、CD書き出し等、1つのソフトで音楽制作のほとんどをカバーできる音楽制作ソフトのこと。
と思っていいと思います。
厳密には違いますが、DTM初心者の方は、この理解でまずは十分だと思います。
要するに、ボカロオリジナル曲を作りたい方は、DAWを持っていないと話にならないという事ですね。
DTMとは?
DTMという言葉を先ほど使いました。
DTMという言葉も最初は何のことかわからないかもしれないので、簡単に説明しておきます。
DTMとはDeskTop Music(デスクトップ・ミュージック)の略称です。
これは和製英語ですので、海外では通じません。一昔前では「コンピューターミュージック」とも言われていました。
デスクトップと言うと若干語弊がありますが、
主にパソコン上で音楽制作を行うこと。
と思って良いでしょう。
つまり、これからボカロPを目指してDAWを使い、ボカロオリジナル曲を作ることもDTMなのです。
それではDAWとDTMについて基本的な事は理解して頂いたと思うので、実際にオリジナル曲を作るためのDAW選びについて考えていきましょう
DAWはどう選ぶ?
さて、DAWは音楽制作の為のソフトウェアとお伝えしましたが、現在は色々なDAWが発売されているので何を選んだら良いのか戸惑う方も多いみたいです。
DAWには有償ソフトとフリーソフトがあります。
また、同じ有償ソフトでもグレードによってプラグインやソフトウェア音源の搭載されている数が違い、機能の制限がつくものもあります。
プロ仕様の最高グレードのものや、機能が少し制限されるが価格を抑えたミドルグレード、エントリー向けの低価格帯まで様々あります。
ここでちょっと僕の経験談を紹介します。
僕は最初CUBASE studio 5.5(当時はver5.5が最新)という、CUBASEシリーズのミドルグレードを選んで作業をしていました。
最初はミドルグレードのDAWでも十分でしたが、次第に不満も出てきました。
搭載されているソフト音源だけでは欲しい音色が入っていなかった為です。
また、マスタリングエフェクトに関しても標準搭載のエフェクトでは徐々に物足りなくなってきました。
かと言って最高グレードCUBASE 5.5 に搭載されているエフェクトは、ミドルグレード「CUBASE studio」より若干増えているだけで、使いたい音色も入ってませんでした。
わざわざお金を払ってまでしてアップグレードしたいとは思いませんでした。
アップグレードする資金があるなら…と、僕は結果的にサードパーティー製(他社製)のソフトウェア音源とマスタリングプラグインを導入しました。
(プラグインとは、DAWに音源やエフェクト機能を追加するソフトの事です。)
※プラグインについては後日記事を書かせて頂きますね。今振り返ってみると、ぶっちゃけ僕の場合、
最上位版のDAWは最初から必要はありませんでした。ミドルグレードのDAWは最上位版の性能とほぼ同じで、搭載されているエフェクトと音色の数が違うだけです。
本格的にDTMをしてボカロPとしても活躍したいのであれば、次第に僕の様にプラグインエフェクトや追加ソフト音源も欲しくなってくると思います。
でも初めてのDAWだから、必要なエフェクトも、それなりの質と量のソフトウェア音源も付属していないと困ると思います。
従って、
DAWは有償版のミドルグレードがコストパフォーマンスも高く、お勧めです。オーディオインターフェイスの導入を検討している方は付属してくるDAWもいいと思います。
初音ミク V3や
KAITO V3をお持ちの方は付属のStudio One Artistでも良いでしょう。
(Studio One Artist piapro Editionは有償でアップグレードしないとプラグインの追加は出来ません)
これからDTMを始めるボカロP志望の方は、これから導入するDAWとは長い付き合いになると思います。
最初は最高グレードのDAWを用意するよりも、その差額でMIDIキーボードやオーディオインターフェイス、ヘッドホンなどに初期投資した方が利口と言えます。
>
関連記事「高音質でおすすめ!DTMで人気のモニターヘッドホン厳選5」定番の2つのDAW
最後にDTMで定番の2つのDAWを紹介しておきましょう。
ここで紹介するDAWは、ボカロPでも使っている方が多いものをピックアップさせて頂きました。
使っているユーザーが多い分わからないことも質問できますし、使い方で新たな発見があるかもしれません。
また定番なだけあって、“使える”DAWが揃っています。
CUBASE 7シリーズ
- 対応OS:Win、MacOS
- 対応Plugin:VST
- ラインナップ:CUBASE、Artist、Elements
- >メーカーホームページへ
CUBASEを使用するボカロP(敬称略)
supercell ryo、黒うさ、AVTechNO!、デッドボールP、40mP、等々
CUBASEシリーズは世界的でもっともシェアを誇るDAWだと思います。
Steinberg社は、Vocaloid Editorを開発したYAMAHAの子会社にあたります。
Vocaloid Editoer for CUBASE というプラグインを導入することで、DAW上でVocaloid Editorを使用しボカロの調整が出来る唯一のソフトでもあります。
また、CUBASEはWin、MacOSの両方に対応しているので、OSを選ばないところも有利と言えます。
前述した
Vocaloid Editoer for CUBASEはMacにも対応するので、MacOS環境でボカロPを諦めていた方にも対応するようになりました。
Steinberg社はプラグイン規格のVSTや、オーディオインターフェイスとの同期を可能とするASIO規格の生みの親でもあり、DTM業界のスタンダードを作り上げてきた実績と実力をもつ会社です。
僕も現在はCUBASE 7 を使用して楽曲制作を行っています。
搭載エフェクトも多く、プリセット(エフェクトの設定集)も豊富なので、DTMが初めて方も嬉しいですね。
また、DTMerの心をくすぐる専用のコントローラー
「CMCシリーズ」も販売されており、より音楽制作の世界を楽しめるようになっています。
個人的にお勧めなのは
CUBASE Artist 7です。
必要な機能・エフェクト・音源は一通り揃っており、プラグインも追加できるため拡張性にも優れています。
海外輸入盤だと安く手に入りますが、日本のYAMAHAのサポートが受けられないのが残念なところ。
学生・教職員の方は
アカデミック版があるので、かなりお得に手に入るのも魅力。
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関連記事「Cubase7.5発表!海外版Cubase7からもYAMAHAがサポート!?」へ
SONAR X3 シリーズ
対応OS:Win
対応Plugin:RATS
ラインナップ:PRODUCER、STUDIO、ESSENTIAL
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メーカーホームページへSONERを使用するボカロP(敬称略)
八王子P、cosMo@暴走P、悪ノP、キセノンP、ハチ、等々
実はボカロPの中でも使っている方が非常に多いのがSONARシリーズです。
SONARは直感的なインターフェイスと豊富なソフト音源がウリであり、初心者の方でも安心して導入できるソフトです。
また、MIDIの打ち込みはCUBASEより上と言う方がいるように、ピアノロールの入力のしやすさにも定評があるDAWですね。
一昔前までは「SONARはよく堕ちる」と言われていましたが、最近は動作も安定したようです。
…と言うより、CUBASEも堕ちる時はあるのでどちらも同じだと思います。
SONARの個人的なお勧めなのは
SONAR X3 Producerでしょうか。
STUDIO以上のグレードはトラック数も無制限で、ボーカルのピッチ補正などで活躍する「merodyne」というエフェクトが入っています。ケロケロボイス等にも使えるので、ボカロの歌声にスパイスをかけたいときにも使用できます。
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関連記事「ついにSONAR X3が2014年1月末に発売!その機能と価格は?」へ今回紹介したCUBASE、SONAR以外にも、
など様々なDAWがあります。
人によっては2つ以上のDAWを使って曲を作っている人もいます。
僕も編曲はCUBASE、作曲はSinger Song Writerと使い分けています。
DAWにもそれぞれ個性があり、グレードによっても搭載されているエフェクトも違うので、「一概にどれがいい」とは言い切れません。
僕の体験談を踏まえて、予算と相談してDAWと選ぶといいのではないでしょうか?
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