動画の制作難易度について
まず初めに、動画の制作難易度について考察をしたいと思います。
そもそも動画というものは、1秒間に24~30程度のフレーム(コマ)で構成されます。
さらに高画質な物を求めると、秒間60フレームと言った動画も存在します。
動画の基本はパラパラマンガと思って頂いていいでしょう。
1秒間に24~30枚の静止画を順番に表示させることで、あたかも絵が動いて見える=アニメーションしているにうに見えるのです。
ニコニコ動画で配信されているオリジナル動画も、基本的にはこの原理で制作されています。
キャラクターが動いたり、文字が動いたりするのは、動画編集ソフトを使ってフレームごとに細かい動きを指定してあげているんですね。
動画制作ソフトについては、次回の記事で説明させて頂きます。
>関連記事「動画師のソフトは?動画制作フリーソフトと高性能ソフト」さて、オリジナル動画の制作難易度に話を戻しましょう。
ここではボカロオリジナル曲のオリジナル動画を例に話を進めていきたいと思います。
ニコニコ動画でボカロオリジナル曲を観てみると、大体以下のタイプに分かれていました。
- 1枚絵(静止画)に歌詞を打ち込んで曲に合わせる
- 数枚のイラストをスライドショー的に繋ぎ合わせる、歌詞を入れる
- イラストや動画素材、エフェクト(映像)効果などを組み合わせて完全にオリジナルを作る
- 実写で動画を作る
- MMD・キャラみんスタジオを使う
1~2番は、初投稿の方や動画制作が初心者の一般的な方法ですね。
基本となる映像がほぼ静止した状態ですので、パソコンも複雑な処理をしなくて済みます。
動くのは文字が入れ替わる程度なので、簡単かつスピーディーに動画が完成します。
静止画像に歌詞を載せたり、イラストを少し動かしながら画像を差し替えたりするのは、そこまで知識が無くても簡単に出来ますし、フリーソフトで充分いけるでしょう。
それほどパソコンの性能が高くなくても作れるのが、大きなメリットと言えます。
最近のニコニコ動画で良く見かけるのが、3番の動画です。
キャラクターがアニメーションしたり、文字が複雑に動いたり、特殊効果で画面が切り替わったり…
「こんなの作ってみたい!」と思いますよね。
ですが、はやりこれが一番制作難易度が高いのも事実です。
知識ももちろんですが、
After Effects 等の高性能な動画編集ソフトを使用して動画を作っていくので、複雑な処理をパソコンには求められます。
従って、パソコンにもそれなりのスペックが要求されくるのです。
では、高度な動画編集を行うためにパソコンはどの程度の能力が必要なのか、説明していきたいと思います。
OS
OSに関してはWindowsでもMaxOSでも、どちらでも構いません。
ですが、高度な動画制作をする際に最低限抑えておいてほしいの事があります。
それは
64bitのOSであることです。
過去の記事「
ボカロPを始める為のパソコン環境」でも書いたのですが、32bitと64bitのOSではパソコンに実装できるメモリの容量が違います。
実装できるメモリの容量は、32bitの場合は4GB、64bitの場合は172億GBまで搭載可能です。
後述しますが、メモリは動画制作でかなり要求されてくるので、本気で動画師を目指すのであれば64bitは絶対条件と言えるでしょう。
また、先ほどお伝えした
After Effects と言った高性能な動画編集ソフトは
64bitでしか動作しませんので、併せて頭に入れておいてください。
CPU
CPUとは、パソコンの処理能力を表すものです。
動画師の作業を快適に進めるのであれば、CPUは高性能なものの方が圧倒的に作業時間の短縮につながります。
ボカロオリジナル曲の動画を作る際は、動画の動きが曲と合っているか?不自然になっていないか?等を確認しながら作業を進めていきます。
作った動画のモーションを確認(=プレビュー)する時、一時的にプリレンダリングと言う動画の仮書き出し処理がパソコン上で行われます、
特殊なエフェクトや3Dを扱っていると、どうしてもプレビューするまでのプリレンダリングに時間がかかりますが、CPUの処理能力が高ければ、その時間を短縮できるのです。
当然、実際の動画の書き出しの時間やエンコードの処理時間にも大きくかかわってくる物なので、出来るだけ処理能力が高いものが望ましいでしょう。
最低でも、64bit対応のIntel であればCore i3、i5、i7以上、AMD ならPhenom Ⅱ以上のCPUが必要です。
出来る事なら
Intel core i7 4770k あたりのCPUを積んでおきたいものです。
メモリ(RAM)
メモリはパソコンの作業机の広さに例えられる事が多いです。
当然、メモリが多い方が作業効率は上がります。
先のCPUの項目でもお伝えしましたが、動画制作はモーションを作っては確認、作っては確認の繰り返しになります。
プレビューの一時保管場所にもメモリは使われていますので、メモリは多く積んでおくのが望ましいのです。
ちなみに僕もボカロオリジナル曲の動画制作をしていますが、動画作業している際は大体16GB以上はメモリを使用しています。
最低でも4GB以上、快適に作業をしたいのであれば16GB以上は積んでおくことが望ましいと言えます。
HDDとSSD
ハードディスクドライブ(HDD)も性能が良いのもの方がいいです。
最近はSSDと言った高性能の記録媒体が出回っていますが、まだまだHDDに比べると非常に高価で容量も少ないと言えます。
賢いドライブ構成としては、起動ディスクはSSD、保存ドライブはHDDと使い分けると良いでしょう。
こうすることで、HDDとSDDの長所を上手く取り入れた構成に仕上がると思います。
僕の場合ですが、一つの動画の容量は無圧縮(AVI)で出力すると約5GB程度です。
イラストの容量や音声データも取り扱うため、HDDは高速で容量が大きいものが理想です。
容量については、次回以降で紹介しする著作権フリーの動画素材などもHDD上に保管して使用しますので、最低256GB以上、できれば1TB以上の容量があると安心です。
>関連記事「ロイヤリティーフリーの動画素材・映像素材集は動画師の強い味方!」HDDの場合、容量の他に回転数を表す表記があります。
高性能な動画編集ソフトでは、7,200RPM以上の物を推奨しているものが多いので、そこも押さえておきたいポイントだと思います。
また、SSDを使用する場合、マザーボードとの接続方法にも気を付けておきましょう。
SSDの性能を十分に発揮するには
SATA3.0 6Gbps対応のマザーボードがお勧めです。
SATA2.0だと、データの転送速度がネックとなって、高速に読み書きするSSDの速度に追いつきません。
SSDを導入する際は、マザーボードの性能にも目を向けてください。
とは言え、SATA2.0に接続したSSDでもHDDと比べると非常に高速ですので、SSDを導入する価値は非常に高いといえます。
ディスプレイ(モニター)
どんなにパソコンの性能が良くても、動画を確認するディスプレイが低解像度では意味がありません。
最低でも1,280×900以上の画像解像度をサポートするディスプレイが必要です。
現在の主流は16:9のワイドモニターで、解像度は1920×1080ですね。
最近はモニターの価格も下がってきたので、動画師を目指すのであれば1920×1080以上の解像度を持つモニターを手に入れたいところです。
サイズは23インチ以上あると、高解像度でも目が疲れないと思います。
グラフィックボード
標準でもモニタ出力はありますが動画師になるのであれば、 グラフィックボードも性能の良いものを積む方が作業効率は上がります。
グラフィックボードにはGPUと言われる、画像処理を行うCPUのようなものが別途積んであります。
最近のCPUにはGPUが内蔵されたものもありますが、動画制作などを行う際はGPUアクセラレーション(CPUの処理に加えてGPUが画像処理を補助する)機能も作業効率向上の為に一役買ってくれるので、デスクトップパソコンの方はグラフィックボード導入も検討するといいでしょう。
先のディスプレイに対応させるために、当然高画像解像度で出力できるものを選び、VRAMは256MB以上を積んでいるものを選んでください。カラーも当然フルカラー(32bit)を選んでください。
また、動画編集ソフトによってGPUアクセラレーション対応かどうか違ってきます。
グラフィックボード導入の際は、お使いになる動画編集ソフトに対応しているものを購入するようにしてください。
パソコンは何処で買うべきか
1枚絵(静止画)やスライドショー的な動画制作を行うのであれば、パソコンの性能はさほど気にしなくても良いでしょう。
実際に作り始めて、パソコンの能力に不満が出てきた時に買い替えを考えればいいと思います。
本格的に動画師をやりたい方のパソコンスペックの基準は
- OSは64bit
- CPUは、Intel であればCore i7
- メモリは出来るだけ16GB以上
- HDDは最低でも1TB以上、7,200RPM以上
- 1,920×1080以上の画像解像度
(グラフィックボードはGPUアクセラレーターに対応したVRAMは256MB以上)
となります。
BTOパソコンがお得
これらの条件を満たすパソコンは、家電量販店で販売されているSONYや富士通、NEC等のナチュラルブランドの製品は非常に高価です。
これらの製品は、いわば「万人向け」のパソコンなので、不必要なソフトが付随してきます。
例えば、年賀状作成ソフトや家計簿ソフト、フォトアルバム等が最初からインストールされており、その分の値段が乗っているからなのです。
DTMでもそうなのですが、動画師を目指すのであれば、不要なソフトを排除した動画制作専用PCをオーダーメイドした方が、コストも抑えて高性能なパソコンが手に入ります。
最近は自作パソコンよりも保証がついて価格も抑えられる、BTO(=Build To Orfer)が人気の様です。
自作パソコンは、パーツの保証はあってもパーツの相性の保証は無かったり、壊れても自分で直さなければいけません。
BTOとは、いわばショップが組んだオリジナルパソコンに、パーツの組み合わせが選べるものであり、もちろん不要なソフトはインストールされていないので、性能面でも費用面でもナチュラルブランドPCを買うよりお得です。
有名なBTOショップとしては、
あたりがお勧めです。
これらのBTOパソコンショップは選べるパーツも多く、クリエイター向けのパソコンも扱っており、コストパフォーマンスも非常に高い優秀なショップと言えるでしょう。
次回は、 動画制作のための動画編集ソフトについて紹介します。
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