目次
1.テーマを決めよう
歌詞を作るということは、
楽曲に命を吹き込むような作業だと思います。
歌詞先であれ、曲先であれ、作詞というものは
「曲の世界をリスナーに届ける」役割を持っていることでしょう。
そう、歌詞を作る上で一番大切なことは、
リスナーに何を伝えたいかと言う事なんです。
曲のテーマは、楽曲制作や楽曲が完成した時点である程度固まっている場合もありますし、 そうでない場合もあります。
テーマについて、いくつか例を挙げてみました。
恋愛もの
恋愛ものとひとことに言っても、片思い、失恋、別れ、恋愛成就、両想い、すれ違いなど、様々なパターンが考えられますね。
大切なのは、いつ・誰が・誰と・どこで・どうなったかを、リスナーに分かりやすく伝える事でしょう。
加えて、感情の変化や時間の移り変わり等を上手く取り入れて組み立てると良い結果になると思います。
歌詞を組み立てる上では、結果を考えておくことが大切です。
必ずしも結果を曲中に入れる事はしないで、リスナーの想像に任せるというのもひとつの手法でしょう。
メッセージもの
メッセージものにも沢山あります。
この世界に憂いを感じるもの、生きていくことの喜び、秋の夕暮れのたそがれ、応援歌などなど、人に何かのメッセージや感情を届けるものです。
メッセージものは歌詞が単調になりやすいので、喜怒哀楽をはっきり決めて、曲の着地点は何なのかを始めにしっかり決めておくことが大切ですね。
メッセージもので歌詞作りに詰まってしまったら、目線を変えてみたり、別の角度からメッセージを見つめる等の場面転換をすると、メリハリが出てくると思います。
テーマソング
既に世界観があるものに関連したことを歌詞にしたものです。
アニソンが典型的ですが、スポーツやドラマなど、様々な場面でテーマソングは歌われています。
ネタな歌詞も、このテーマソングに分類できるのではないでしょうか。
一貫した世界観がある分、歌詞は作りやすいかと思いますが、言葉を変えて同じ様な歌詞を繰り返さないように、1番・2番・ラストで何を書くかを考えて構成していくと良いでしょう。
ストーリーもの
楽曲自体をひとつの“物語”と考えて、歌詞でお話をつくり、リスナーに届ける方法です。
ボーカロイドが好きな方であれば、悪ノシリーズや、カゲロウプロジェクトあたりがこれに該当するでしょう。
ストーリー物で歌詞を書く場合は「起承転結」が大切です。
加えて、登場人物のプロフィールをある程度固めておかないと、曲中にキャラクター像がブレてきてしまうことがあるので注意して下さい。
2.曲の世界観を練り上げよう
曲のテーマが決まったら、
曲の世界観を練り上げていきましょう。
リスナーの心に響く歌詞を作るには、曲の設定が“共感を得られるもの”を意識し、出来るだけ具体的に世界観を煮詰めていきます。
登場人物、シチュエーションなど、曲のバックグラウンドになる部分もある程度決めておいた方が、歌詞を書いていて設定がブレることが少なくなるので効果があると思います。
登場人物であれば、主人公や相手役、その他の登場人物について、設定してあげましょう。
詳細に決めなくても良いですが、曲の中で人物を連想させるキーワードを出したりする時に役に立つので、設定を考えておくことは大切です。
また、どのようなシチュエーションを描くのかも決めておくと良いと思います。
恋愛をテーマにした曲であれば、リスナーがシチュエーションを想像しやすく「あるある、それわかる」的なぐらいリアクションが取れる程、世界観を作っておくと共感も得られやすいと思います。
世界観は必ずしも歌詞中に表現する必要は無いと思いますが、歌詞を作っていく行程での土台になるので、最低でもイメージとして持っておくことをおすすめします。
3.曲の構成と歌詞の展開を考える
曲のテーマと世界観が練りあがったら、
歌詞の展開を考えていきましょう。
歌モノの楽曲の場合、一番多い基本的なパターンとしては
イントロ(前奏)⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビ
と言う流れで、1番、2番があり、間奏を挟んだのち、BメロやCメロを経てサビ⇒大サビへ流れ、アウトロ(後奏)
で終わるという構成でしょう。
歌詞をつくるにあたり、1番では何を伝えたいのか、2番は何を伝えたいのか、またAメロやBメロでは何を伝えたいのかを意識して書き出すと良いと思います。
もちろん大サビでは、歌詞で一番伝えたい事や歌詞の核心について持ってくるのがベストだと思います。
ノートでもなんでも良いので、曲の構成を大雑把に書き出しましょう。
そこに、それぞれの箇所で伝えたいメッセージはなにかを書き出していきます。
1番のAメロでは、曲の概要をリスナーに伝え、1番のBメロでは世界観を書き、1番のサビではテーマに沿ったメッセージを書くなど、各セクションで伝える事を明確にする作業のことです。
こうしておくことで、歌詞の方向性がブレたり、話が膨らみすぎる事を防ぐことが出来ます。
どのセクションで何を伝えるかの決まりはありませんので、曲のテーマが伝わりやすい・引き立つような構成を考えて組み立てていきましょう。
4.歌詞作りの基本は字数合わせ
歌詞の構成が出来あがったら、あとはメロディーに言葉をのせていきます。
メロディーに対して言葉を当てはめていく作業で一番大切なのは、字数ではないでしょうか?
字数合わせは、音楽業界では
字脚を合せると言われているそうです。
曲を作っている方はわかると思いますが、メロディー(主旋律)の一音一音には意味があります。
音符の数(=音節数)にあわせて、歌詞の字数をあわせるが必要があるので、一種の言葉パズルのような感覚です。
字脚の数え方
意外と間違えている人が多いと感じるのが、字数の数え方です。
基本的な考え方としては、母音(a、i、u、e、o)で1音と考えると分かりやすいですね。
「きゃ」も「kya」とローマ字表記でき、母音の数は1つなので1音です。
あと「ん」と長音「-」も1音としてカウントします。
間違えやすいのは促音という小さい「っ」で、これも1音とカウントします。
これらを踏まえ、AKB48の有名な曲を例に挙げると、
- 「恋する」⇒4音
- 「フォーチュン」⇒4音
- 「クッキー」⇒4音
と数える事が出来ます。お分かりいただけますか?
5.作詞は連想法を使おう
曲にはテーマが決められており、それに対するキーワードを考えるのも作詞の醍醐味でもあります。
表現ひとつでリスナーの受け取り方は変わるので、日本語と言うものは本当に面白いですよね。
メロディーにあわせてキーワードを合わせたいが、字数があわない場合や、同じワードが曲中に何度も使われている歌詞では、表現不足になってしまいます。
「ここのメロディーに、このキーワードを入れたいのだけれど字数が合わなくて入らない!」
「このキーワード、さっきも使ったよな…何回も同じ単語だとしつこく聞こえるな…」
なんてことは、僕もしょっちゅうあります。
そんなときは、ひとつのキーワードに対して、似た表現に置き換える方法が効果的だと思います。
例えば「希望」というワードを別の言葉に変えたい場合、「希望」から連想できる同じような意味を持つ言葉を書き出してみましょう。
等が連想できるのではないでしょうか?
これだけでも言葉数は増えましたが、さらに表現を広げていくと、
- まだ見ぬ未来
- 僕達が思い描いた世界
- 光が指し示すその先
といった表現もできると思います。
同じような意味ですが、表現の仕方で歌詞の世界は大きく広がっていくものです。
こうしたキーワードは、歌詞を一生懸命考えている時よりも、普段何気ないときに「ふと思いつく」ことも多いので、思いついた時は忘れないようにメモする習慣をつけるといいと思います。
6.言葉の響きを意識する
作詞では、
言葉の響きにも意識することで、より一層メロディーが引き立たせることができます。
曲の歌詞を書くと言う事は、
最終的に誰かに歌って貰うことになることを忘れてはいけません。
やはり、曲の響きと歌詞の響きは一体になってこそ、人の心を動かすものだと思います。
歌詞をノートやパソコンで作って完結するのではなく、実際に自分でメロディーにあわせて発音してみるのが一番でしょう。
ここで一度、言葉の響きについて紹介しておきたいと思います。
破裂音
バ行、パ行、カ行、タ行、ガ行、ダ行が
破裂音と言われています。
実際に発音するとわかると思いますが、音を発音する際に「タメ」が入るので、力強い発音となります。
そのため、インパクトのあるフレーズや、サビのフレーズの頭に破裂音を入れることで力強い印象を与える事が可能となります。
濁音
ガ行、ザ行、ダ行、バ行などの、濁点がついた音を
濁音と言います。
濁音は、響きとしては濁っていますが、逆に力強い印象を与えます。
バラードのサビなどに、濁音が多く含まれていると、メロディーが良くても響きは濁ってしまうので、使い方に気を付けた方が良いでしょう。
アップテンポな曲にインパクトを与えたい場合、意識して使うと効果的です。
歯擦音(破擦音)
サ行、ザ行を
歯擦音(破擦音)と言います。
実際に発音してみると、一度歯を噛み合わせて発音します。
特にサ行の場合は発音する際に、息を歯を噛み合わせた状態で息を吐いて「S」を発音するので、耳に障ります。
録音したボーカルの歌声は、DTMのMIX時も専用のプラグインを使って処理をすることも多く、それだけ注意が必要な音とされています。
作詞をする際には気にしなくても良いかもしれませんが、最終的なMIXの際に処理が大変ということは知っておいて損は無いでしょう。
マ行、ハ行、ナ行
マ行、ハ行、ナ行の発音は丸くなります。
フレーズが優しく、和むように発音できるので、そういった曲に多く取り入れると効果があります。
逆に、勢いのある曲のサビの頭に持ってくるとパワー不足になる可能性があります。
実際に、マ行、ハ行、ナ行を力強く発音しようとしても、息が鼻や口から漏れてしまうので難しいのがお分かり頂けると思います。
7.作詞に役立つ色々な表現法
実際に作詞を始めると、歌詞が単調になってしまうことがあるかと思います。
日本語には様々な表現方法があり、作詞する場合に応用できるものも多くあります。
作詞にも様々な表現手法があるので、最後に取り組みやすい表現法を紹介しておきましょう。
韻を踏む
韻を踏むとは、フレーズの頭の音や最後の音の発音を揃えるテクニックのことで、
押韻(おういん)と言われます。
押韻は、サビのメロディーで使ったり、1番と2番の同じ場所で揃えたりと、似た(もしくは同じ)フレーズで使うと効果が高いと思います。
韻を踏むことで、メロディーが覚えやすくなり、印象に残すことが出来るテクニックなので、是非使いたい表現法のひとつです。
ですが使いすぎると、インパクトが薄れたり、ダサくなってしまうので、要所要所に使うのがいいと思います。
倒置法
倒置法は目的語や述語などをフレーズの先頭に持ってくる表現方法です。
倒置法を使う事により、歌詞そのものにインパクトを与える効果が望めます。
例えば
「君は僕の 大切な人なんです」
と言う歌詞を倒置法にすると、
「大切な人なんです 君は僕の」
となり、伝えたいことは同じでも、印象がだいぶ変わると思います。
ここぞ!というフレーズで使う事で、表現の幅が広がるので、歌詞がマンネリ化しそうな場合に使うと効果があると思います。
反復(繰り返し)法
反復法は、わざと同じ言葉を続けて繰り返す表現法です。
例えば、
- 「ずっと、ずっとそばにいて欲しい」
- 「僕は叫ぶ、愛を叫ぶ、君を叫ぶ」
- 「だい だい だい 大好き 君が好き」
など、色々な方法があります。
サビなど、印象に残るフレーズと組み合わせることで効果の高い表現法だと思います。
比喩
比喩は何かに例える表現手法です。
国語の授業で習ったかと思いますが、比喩表現もいくつか種類がありますね。
直喩や暗喩(隠喩)、諷喩、擬人法などあったのは覚えていますか?
作詞で使うなら、直喩や暗喩が使いやすいと思います。
例えば、
- 「太陽の様な君の笑顔」⇒直喩
- 「人生は終わりなき旅だ」⇒暗喩
などとなります。
比喩も作詞にとっては効果の高い表現法ですが、こちらも使い方を間違えると非常にダサくなったり、無駄に文字数が増えるだけなので、センスが問われる部分化と思われます。
色々試してみるのが一番かもしれませんね。
8.まとめ
今回は色々な作詞の方法を紹介させて頂きました。
冒頭でもお伝えしましたが、作詞は楽曲に命を吹き込むような作業だと思います。
ですから、楽曲を引き立てることができ、曲の世界観やメッセージがリスナーに伝われば、どのように表現しようと貴方の自由だと思います。
したがって、基本的には作詞の決まりなんてものはありません。
ですが、相手にメッセージを届ける為のアイデアやノウハウは沢山あるということです。
一番大切なのは、楽しんで取り組むことだと思います。
是非いろいろと試してみて、ご自身のメッセージを曲と共に届けて貰えたら嬉しいです。
作詞に関する情報は、書籍でも沢山あります。
最後に、作詞のノウハウが詰まったおすすめの書籍を紹介しておきます。
このブログには書いていない、プロの視点で書かれた書籍は、きっとあなたの歌詞に新たな可能性をもたらしてくれると思います。
最後まで記事を読んで下さってありがとうございました!
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