ボカロPのパソコンは多くの処理を求められる
まず最初に、ボカロPのパソコンにはどのような性能が求められるのか、少し想像してみましょう。
あなたがボカロオリジナル曲をパソコンで作るとしましょう。
この行為は、いわゆるDTM(デスクトップミュージック)と言われるものです。
パソコンでオリジナル曲を作るには、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)と言われる、音声編集ソフトを使用することになります。
この「DAW」というソフトが実際にどのような処理をパソコンに求めているか、もう少し具体的に説明しましょう。
DAWは、MIDIと言われるパソコンが楽器を演奏する為の楽譜のようなものを読み込んで、その情報に基づき各種の音源を鳴らします。
各種の音源とは、いわゆるソフトウェア音源と言うもので、例えばドラムやベース、シンセサイザー等の事ですね。
当然、曲によっては何種類、何十種類の音色を扱う訳で、その音色の分だけソフトウェア音源は起動する事になります。
いくつもの音源を同時に再生するだけでも複雑な処理ですが、実際には、その各音源にエフェクトをいくつも重ねて使って音作りをしていくのです。
そう考えると、一昔のパソコンでは処理が遅すぎて、まともに作業が出来ないのは容易に想像がつきそうですね。
それでは、ボカロPに求められるパソコンの性能について、各パーツごとに説明をしていきたいと思います。
1、OSについて
OSは最低でも
windows 7以上が良いと思います。
最近は
windows 8や
8.1が主流になってきたので、そちらを選択しても良いでしょう。
ボカロPになる事を考えると、ボーカロイドも使用することでしょう。
ボーカロイドの歌声を調整するソフトである「
Vocaloid Editor」は、今のところ一部を除いてMacOSでは動作しません。
クリプトン製のボーカロイドに付属するソフト「Piapro Studio」でMac環境でもボーカロイドが楽しめますが、Macにとくに拘りが無いのであれば、windowsのパソコンが値段も安いので、最初はこちらで良いと思います。
加えて、OSはその仕組み上、32bitと64bitがあります。
これに関してはわざわざ買い替える必要はありませんが、これから購入を予定されている方は
64bitを強くお勧めします。
64bitの詳しい説明はここでは省きますが、パソコンに実装できるメモリの容量が変わってきます。
32bitのOSの場合は4GBまでしかメモリが実装できません。
64bitのOSの場合は理論上172億GBまで搭載できると言われています。
(実際にそこまで搭載できるパソコンはありませんが)
当然メモリが多く詰めるマシンの方が作業は快適になりますので、新規購入の方は64bit一択と言えます。
2、CPUについて
CPUの処理能力も同じくで、Vocaloid Editor の最小動作条件が Intel Core 2 Duo 1.8GHz となっていますが、あくまでも動作する最小限度の能力ですので、それ以上無いと辛いものがあります。
ボカロオリジナル曲を作るには、前述したとおり性能が良いものの方が制作にも有利です。
今の現状では 最低でも4コア、2.4Ghz以上のCPU搭載のPCが欲しいです。
Intel製のCPUを使う場合は、せめてcore i5 / i7 が欲しいところです。
※動作しない訳じゃないので、 それ以下でもVocaloidは楽しめます。
持っているPCが古くても最小動作条件がクリアしていれば大丈夫です。
買い替えの時に参考にしてください。
3、メモリについて
メモリはソフトウェア音源の音色を読み込んで、直ぐに再生できるようにプール(音源の一時保管)しておく部分になります。
ドラム音源やギター・ベース音源、オーケストラ音源等のソフトウェア音源を使用する場合は、かなりのメモリを消費しますのでメモリは出来るだけ多く積むようにしましょう。
最低動作条件としては、
CUBASE
(DAW)を参考にしても2GB以上。
快適に作業するのであれば4GBは必要になってきます。
出来れば8GB以上積んでおくと、ストレスが少ないです。
メモリについてはパソコンのマザーボード(基本となる基盤)によって装着できる種類が変わってくるので、増設する際にどれを買ったらいいのかわからない方はパソコンショップの定員さんに確認するといいでしょう。
4、HDDについて
HDD(ハードディスクドライブ)も容量が大きい方が良いです。
基本的にDAWでは、ステレオの音源を何十トラックも同時に扱う事になります。
僕の場合ですが、1曲の音源データだけでも1GBは容量を使用しています。
これに加えて、追加ソフトウェア音源のデータ容量は200GBを占めています。
最低でも500GB以上は無いと苦しいのではないでしょうか?
最近は高速な記憶媒体として
SSD
(ソリッド・ステート・ドライブ)も流通しています。
起動ドライブに設定するとパソコンの起動や、アプリケーションの起動が爆速になる次世代記憶媒体ですが、値段もそれなりに高く容量が少ないので、起動ドライブはSSD、ファイルの保管場所はHDDと分けるのが賢い使い方です。
僕もHDDとSSDを併用して使用しています。
ドライブを分けることで、音源の読み込みが早くなり、作業が快適になります。
>関連記事「DTMにSSDを導入してソフトウェア音源を爆速で読み込む方法」
5、ディスプレイ(モニター)について
DAWを使用していると、ミキサーの表示やエフェクトのGUI(エフェクト専用パネル)など、多くのウィンドウを開くことになります。
ディスプレイは最低でも、1280×800ピクセル以上のフルカラーの物を用意して下さい。
1920×1080位(16:9)あると、かなり快適に作業できます。
まとめ
こうして各パーツごとに見ていくと、パソコンを選ぶ際の基準のようなものが見えてきますね。
新たにパソコンを購入する場合は、今説明したところに注目すると、パソコンの性能が読み取れるようになると思います。
今回お伝えしたまとめとしては、
- OS:最低でもwindows 7以上
- CPU:Intel製のCPUを使う場合は、せめてcore i5 / i7 が欲しいところ
- メモリ:出来れば8GB以上積んでおくと、ストレスが少ない
- HDD:時代はSSD。HDDと併用が基本
- モニタ:1920×1080位(16:9)あると、かなり快適
と言う事になります。
ハッキリ言ってしまうと、ボカロPを
始めるだけなら、
最低動作条件さえクリアしていれば、作業は可能です。
ですが、快適に作業するには、かなりほど遠い性能となってしまいます。
快適にボカロPライフを楽しみたいのであれば、パソコンというDTMの土台をしっかりとしたものを用意しておかないと、後で結局は買い替える事になると思います。
それだけ、DTMはパソコンに性能を求めるものなのです。
ボカロP、DTM用のパソコンの入手方法
最後になりますが、これらの性能を満たすパソコンは何処で用意したらいいのでしょう?
大手家電量販店などでは、SONYやNEC、富士通などのパソコン(ナチュラルブランド)が沢山並んでいますね。
ですが、これらのパソコンは様々なユーザーに手に取ってもらえるように、家計簿ソフトや年賀状作成ソフトなどが、最初からインストールされております。
その分、価格も上乗せされているんですね。
そして、不要なソフトが容量を圧迫し、バックグラウンドで動作したりするので、ボカロPやDTM向きのパソコンとは正直言えません。
かと言って、パソコンパーツを全て自分で組み立てる自作も、初心者にはおすすめできません。
パーツを壊すリスクやパーツごとの相性問題などあり、組立ミスで壊した場合は保証も効きません。
それでは、どこでボカロPに最適なパソコンがあるのでしょう?
その答えが
BTOパソコンです。
BTOとはBuild To Orderの事で、分かり易く説明すると、パソコンショップが客のオーダーに応えてパソコンを自作してくれるイメージです。
ある程度の性能を持ったショップのオリジナルパソコンに、SSDを追加したり、メモリーを増設したり、CPUを早いものに変更したりと注文を出せるのです。
ハッキリ言ってしまうと、ナチュラルブランドのパソコン価格よりも安く・高性能なパソコンが手に入るので、初心者の方にも非常におすすめできるんですね。
自作とは違い、パーツの相性も考えて組み合わせてくれたり、保証もついたりするのに、トータルコストは下手したら自作よりも安くなる場合も多いです。
BTOショップは大量のパーツをまとめ買いするので、パーツの単価が安くなる分、パソコンの価格も抑えられているんです。
最近人気のBTOパソコンショップとしては
等があり、クリエイター向けパソコンを扱っています。
これから、パソコンを新調しようと考えている方は、一度ホームページを覗いてみると面白いですよ。
Web上でパーツを選択していくだけで、見積もり額が表示されるので、ご予算に合わせて色々と組み合わせを考えてみてください。
次回の記事はVocaloid Editorについてです。
>>続きの記事を読むいつもニコニコ道具箱をご覧になって下さってありがとうございます。
ブックマークして毎日ご覧になって下さっている方もいて、本当に嬉しい限りです。
これからも、気ままにブログを更新していきたいと思うので、これからも応援よろしくお願いします。
ブログランキングの1クリックにご協力ください↓
あわせて読みたい!
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。