はじめに
DTMで音楽制作を行っていると、色々なソフトウェア音源をインストールする機会が増えると思います。
NATIVE INSTRUMENTS社の
KOMPLETEシリーズ
ベース音源で有名な
Spectrasonics社の
TRILIANドラム音源で有名な
TOONTRACK社の
EZdrummerや
SuperiorDrummer等々、クオリティの高いソフトウェア音源が沢山ありますよね。
ですが、これらのソフトウェア音源はその分データ量も膨大で、KOMPLETEシリーズの最上位版「
KOMPLETE 9 ULTIMATE」に関しては370GBもあります。
1曲でソフトウェア音源のライブラリを全て読み込んで使う事はあまり無いと思いますが、それでもベース、ドラム等の音源はそれなりの容量で、使う音色が増えれば増えるほど、ライブラリデータの読み込みには時間がかかってしまいます。
僕も今作っている
新曲では約5.4GB程度の音源をメモリに読み込んで使っています。
(ちなみに僕は動画制作するのでメモリは24GB積んでいます。)
※アイドリング時は3900MB使用5.4GBもハードディスク(以下、HDD)からライブラリを読み込んで使うので、読み込みが完了するまで余裕で数分はかかります。
早く作業をしたいのに、読み込み時間がかかるのが非常に難点ですね。
ソフトウェア音源の読み込みを無くすには、ソフトウェア音源を1度オーディオファイル化してプロジェクトに読み込んで使う方法が一般的かと思います。
ですが、「ここのフレーズを変えたい!」ってなった時は、再度ソフトウェア音源を立ち上げてMIDIデータを編集し、再びオーディオファイルに出力して、それをさらに読み込んで、差し替えて…とひと手間かかってしまうのも事実です。
CUBASEにはフリーズ機能がついており、一時的にソフトウェア音源をオーディオ化する方法もあるので僕も良く使っているのですが、それでもDAWを立ち上げたときには音源読み込むので、どちらにしてもDAWの動作が安定するまでは時間がかかってしまうのが現状です。
起動ドライブ以外にライブラリをインストールしよう
通常、ソフトウェア音源をインストールする場合、ライブラリのインストール先はCドライブ、つまり
起動ドライブを指定してくるのがデフォルトになっています。
ですが改めて考えてみると、CドライブはOSやアプリケーション等、常にデータのやり取りを行うディスクとなっており、そこから膨大なデータ量を読み込むには非効率ですね。
そもそも、起動ドライブはPCに始めから装備されているドライブなので、市販のパソコンの場合はそこまで高性能なものを使っていない場合が多いです。
元から起動ディスクがSSD等の高性能な物を使っている場合でもSSDの容量は少なく、結果的にソフトウェア音源は別ドライブにインストールせざるを得ない状況に変わりはないでしょう。
起動ドライブとは別にソフトウェア音源の
ライブラリ専用ドライブを用意することで、読み込み時間の短縮につながります。
SSDとは?
SSDとはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の意味で、記憶媒体にフラッシュメモリーを用いる記憶装置の事です。
HDDに代わる次世代記録媒体として数年前から注目を浴びており、近年はメーカーパソコンや高性能ノートパソコンなどに標準装備されるようになってきました。
※Intel Boxed SSD 335SSDはHDDの様にディスク駆動部分が無いため、騒音を発しない、熱を持ちにくい、消費電力が少ない、衝撃に強い等、
HDDに比べて優れる点が多いのも特徴です。
そして、SSDの最大の特徴はデータの読み書きが
非常に高速であること。
HDDは構造上、プラッタという金属板にデータが記憶されており、CDを読み込むのと同じで、ディスクを回転させてデータを読み込みます。
データを記録をしている場所がプラッタという金属板上で離れていると、データを読み込むヘッドを移動させなければならない為、その分タイムラグが生じます。
※Western Digital WD Black 3.5inch 1TB HDD
それに比べてSSDはフラッシュメモリー上にデータが記憶されているため、即座にデータを読み込むことが可能となっています。
しかしながら、SSDはHDDに比べて1GBあたりの単価が高く、SSDの120GB分の金額で3TBのHDDが買えてしまう程高価なのです。
通常は起動ドライブに使う事の多いSSDですが、実は
最近になってSSDが値崩れしてきたようです。
そこで、今回は
ソフトウェア音源のライブラリ用にSSDを使用してしまいましょう!
SSDを導入する
それでは早速SSDを導入してソフトウェア音源のライブラリ格納場所にしましょう。
今回僕が用意したSSDはCFD製のSSD 512GBです。
※CFD CSSD-S6T512NHG5Q256GBと迷ったのですが、どうぜ
ソフトウェア音源はデータ容量がどんどん増える一方なので、256GBでもいずれ足りなくなるだろうから256GBを2つ買うより安いので、512GBを選びました。
今回選んだのはCFD製
CSSD-S6T512NHG5QはTOSHIBA製のSSD HG5dを採用し、512GBの割に安く、コストパフォーマンス優れていて、
口コミでも評判が良かったので採用しました。
SSD本体は2.5inchと通常のHDD(3.5inch)より、やや小ぶりです。
今回購入したCFD製
CSSD-S6T512NHG5Qは3.5inchベイに装着できるように、
マウンタとネジが付属しているので、別途マウンタを買う必要が無くて助かりました。
電源ケーブルはPC内部に余りがあったので購入しなくても済みました。
必要な場合は別途購入する必要があります。
今回はパソコンとデータのやり取りをするSATAのケーブルのみ用意しました。
SATAケーブルはラッチ付きの物のほうが脱落しなくて良いですね。
SSDとパソコンの接続が完了したら、SSDのフォーマットをして完了です。
Windowsでは、
[コントロールパネル]⇒[管理ツール]⇒[コンピューターの管理]⇒[記憶域]⇒[ディスクの管理]
から、追加したSSDのフォーマットを行います。
ファイルシステムはNTFSです。
SSDにソフトウェア音源のライブラリをインストール
SSDは通常のHDDと扱い方は同じです。
ソフトウェア音源をインストールする際はVSTやRTASは通常のアプリケーションをインストールする場所へインストールしてください。
音源のライブラリのインストール先に、先ほどの
SSDを選択してあげましょう。
例として、日本語で分かり易いVocaloid KAITO V3のインストール画面で説明します。
基本的にどのソフトウェア音源でも、ライブラリのインストール先の変更は同じような感じです。
僕はSSDのドライブ名を「Z」にしたので、ドライブ「Z」にインストール先を変更します。
デフォルトでは「Cドライブ」が指定されていますが、これをSSDに変更してやるだけでOKです。
SSDとHDDの読み書き速度を比較
SSDとHDDの読み書き速度は実際どれ位違うのでしょうか?
ドライブの読み書き性能をチェックするソフトを使って速度の違いを計測してみました。
まず、今まで僕が使っていたソフトウェア音源ライブラリ専用HDDを計測します。
使用したHDDは
WD Black 1TB 7200rpmです。
導入当時はHDDではかなり早い部類のHDDでした。
- シーケンシャルReadが126.4MB/s
- シーケンシャルWriteが122.5MB/s
という結果が出ました。
HDDとしては、結果はまずまず…と言ったところでしょうか。
現状でも現役で通用する数値だと思います。
続いて、今回導入したSSDも計測してみます。
もちろん同じ条件での計測になります。
- シーケンシャルReadが264.4MB/s
- シーケンシャルWriteが257.5MB/s
という結果が出ました。
HDDと比べると、
段違いに速度が出ています。
ちなみにカタログスペックが出ていないのは、僕のパソコンのマザーボードが古くて、SATA3.0の6Gbpsに対応しておらず、転送速度が頭打ちになっているからです。
これを改善すれば、
もっと速度が出たでしょう。
ちなみにカタログスペックだと
- シーケンシャルReadが528MB/s
- シーケンシャルWriteが500MB/s
と、爆速になるようです。
HDDとSSDの速度を並べてみると…
左がHDD、右がSSD
シーケンシャルRead/Writeは倍以上。
ランダムRead/Write(512K、4K、4K QD32)は比較にならないほど
SSDの方が高速ですね。
まとめ
SSDにソフトウェア音源のライブラリを格納しておくことで、体感できるほど爆速にライブラリを読み込み、使う事が出来るのです。
ソフトウェア音源の読み込み時間がかかってイライラすることも、SSDを使えばおさらばです。
SSDも値崩れしてきたので、比較的導入しやすい環境になったことも嬉しいですね。
あなたもDTMライフにSSDの導入を検討してはいかがでしょうか?
ちなみに、今回計測に使ったソフトは
CrystalDiskMarkという非常に有名なフリーソフトの
特別版「水晶雫」editionです。
こちらからダウンロードができるので、一度ご自身のドライブの速度を計測して見てはいかがでしょうか?
⇒
http://crystalmark.info/software/
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