Scarlett Solo Studio Packとは
Scarlett Solo Studio Packは世界的に有名な音響機器メーカー
Focusriteが発売するレコーディングに必要な機材がセットになった、お得なパッケージです。
具体的には高音質な録音に欠かせない
オーディオインターフェイスや
コンデンサーマイク、そして適切なリスニング環境を構築する
モニターヘッドホンがセットになっています。
それに加えて、高音質な音楽制作ソフトである
CUBASE LEという
DAW(デジタルオーディオワークステーション)も付属しており、必要な
USBケーブルやマイクとオーディオインターフェイスを接続する
XLRケーブルも付属しており、手に入れた時からすぐに高音質な録音や高度なMIXが可能となります。
Scarlett Studioとの違い
同じくFocusriteから発売されている
Scarlett Studioというセットとの違いは何があるのかを説明しておきましょう。
Scarlett Studioには
Scarlett 2i2というオーディオインターフェイスを核にして、コンデンサーマイクやモニターヘッドホン、CUBASE LEがセットになっているパッケージでしたが、今回紹介する
Scarlett Solo Studio Packは付属するオーディオインターインターフェイスが
Scarlett Soloというものに変更されています。
※画像上がScarlett 2i2、下がScarlett SoloScarlett Soloは「
1万円という価格で買えちゃう高音質オーディオインターフェイス「Scarlett Solo」がすごい!
」の記事でも紹介していますが、Scarlett 2i2との違いは
- インプットがコンボジャック2つではなく、XLRとTSフォーン端子が一つずつ
- アウトプットがRCA端子になっている
- ヘッドホンとモニターの音量調整が個別になっていない
となっています。
とは言え、こうした機材が初めての方にはそういわれてもピンと来ないかもしれませんね。
もう少しわかりやすく説明しておきましょう。
インプットについて
まずインプットの部分ですが、オーディオインターフェイスには様々な音響機材が接続できるようになっています。
Scarlett Solo Studio Packに付属しているマイクは
コンデンサーマイクと言われる種類で、
XLR端子と呼ばれる端子を備えたケーブル同士で接続する必要があります。
コンデンサーマイクに限らず、ダイナミックマイクも高音質なものはXLR端子で接続するようになっており、高音質なマイクはXLR端子で接続する場合が非常に多いです。
また、
+48V ファンタム電源についてよく質問を頂くのですが、この+48Vファンタム電源というのは
コンデンサーマイクを動かすために必要な電源と思っていただくとわかりやすいと思います。
コンデンサーマイクを使いたい場合、コンデンサーマイクを動かすために必要な+48Vファンタム電源を供給できるオーディオインターフェイスが必要になるのですが、このScarlett Solo Studio Pack付属しているオーディオインターフェイスも+48Vファンタム電源に対応しています。
要するに、Scarlett Solo Studio Packに付属しているマイクはもちろん、XLR端子に対応している
RODEのNT1-A コンデンサーマイク といった高性能なマイクを使いたくなった時も、オーディオインターフェイスはそのまま使い続けることが出来るのです。
+48Vファンタム電源はスイッチでON/OFFできるので、コンデンサーマイクではなく、
SHURE SM58
といったダイナミックマイクにも、もちろん対応します。
のちのちマイクをグレードアップしたいと考えている方も、Scarlett Solo Studio Packに含まれるオーディオインターフェイス「
Scarlett Solo」で対応可能ということなので、ボーカルの録音をメインに考えている方にとっては必要十分の機能が揃っているということです。
また、Scarlett Soloというオーディオインターフェイスには
TSフォーン端子も備えているので、エレキギターやエレキベースをシールドで直接接続して録音も行えるようになっています。
この端子は本体のスイッチでライン入力とDI入力が切り替えできるので、接続する楽器を選ばないのも忘れてはならないポイントでしょう。
ボーカルの録音だけでなく楽器の演奏を録音したい方にとっても、非常にありがたい設計となっていると言えるのではないでしょうか。
アウトプットについて
さて、音の出口となるアウトプットについてもScarlett StudioとScarlett Solo Studio Packでは若干違いがあります。
Scarlett Studioに付属するScarlett 2i2の出力は、TSフォーン端子2つで
モニタースピーカーに接続するのに対し、今回紹介しているScarlett Solo Studio Packに付属するオーディオインターフェイス「Scarlett Solo」の出力は
RCA端子(画像参照)になっています。
TSフォーン端子とRCA端子はどんな違いがあるのか?ということですが、
フォーン端子はバランス、
RCA端子はアンバランス接続であり、
バランス(今回の場合はフォーン端子)の方がノイズに強いということです。
とはいえ、よっぽど音に神経質でなければRCA端子で接続しても気にならないでしょう。
もうひとつの音の出口としては、ヘッドホンアウトがあります。
ヘッドホンアウトはScarlett Soloもオーディオインターフェイス前面に配置されており、使いやすい設計となっています。
Scarlett 2i2との違いとしては、ボリュームノブがモニター用のアウトプットとヘッドホン用のアウトプットが独立していない部分です。
モニタースピーカーを使わずヘッドホンメインで作業する場合は特に気にする必要はないと思います。
こう書くと、モニタースピーカーって必要なのか?という質問が来そうですが、ボーカルの録音&ミックスをするだけであればモニタースピーカーは無くてもあまり問題ないと思いますので、プライベートで歌ってみた等を作りたいと考えている方は、神経質にならなくても大丈夫です。
出力にはScarlett 2i2と同様にScarlett Soloも
ダイレクトモニタリング機能を備えているので、録音した音をパソコンを経由せず、非常に少ない遅延でヘッドホンに返すことが出来ます。
Scarlett Solo Studio Packのセット内容
ここまで、Scarlett StudioとScarlett Solo Studio Packの違いについて触れてきましたが、ひとことで言ってしまえば
付属するオーディオインターフェイスが違うということです。
とはいえ前述したとおり、ボーカルの録音をメインで考えている方にとってはこのScarlett Solo Studio PackはScarlett Studioに比べて価格もリーズナブルで非常に手に取りやすい分、お得なセット内容となっています。
このScarlett Solo Studio Packには、
- Scarlett Solo(オーディオインターフェイス)
- CUBASE LE(DAW=音声編集ソフト)
- CM25 コンデンサーマイク
- HP60 モニターヘッドホン
- USBケーブル
- XLRケーブル
- Focusrite Scarlett Plug-in
が含まれています。
具体的にどのようなものなのかを順にみていきましょう。
Scarlett Solo
先ほどの内容と若干重複しますが、レコーディング環境の核になるオーディオインターフェイスScarlett Solo。
要点をまとめると、
- XLR端子とTSフォーン端子を装備
- 数多くの賞を獲得した高音質マイクプリアンプを装備
- 最高24bit、96kHzの高音質録音が可能
- +48ファンタム電源対応
- ラインとDI入力切替スイッチ装備
- USBバスパワーで電源不要
- 適切な録音レベルを視認できるhaloシグナルインジゲーターを装備
- 使いやすい大型のボリュームノブ
- ダイレクトモニタリング切り替えスイッチ
- RCAアウトを備え、モニタースピーカーも接続可能
と、アルマイト仕上げのアルミ製コンパクトボディに必要な機能が凝縮されています。
見た目・品質とも非常によくできており、難しい設定も不要で初心者の方でも扱いやすい製品です。
ちなみに単品でも発売されており、参考価格は10,500円前後となっています。
CUBASE LE
CUBASEは、DAW=デジタルオーディオワークステーションと言われる音楽制作ソフトの中でも非常に有名で世界中に多くのユーザーを抱えるソフトウェアです。
Scarlett Solo Studio Packには、このCUBASEの機能限定版である
CUBASE LEがバンドルされています。
機能限定版とはいえ、ボーカルの録音やMixだけなら機能が余るほど高性能なソフトですし、
日本語対応なので英語アレルギーの方でも使えると思います。
VSTという規格の
プラグインを別途追加すれば、
エフェクトを拡張して使うことが出来るので、
Mixや
マスタリングにも十分使える内容の高性能ソフトです。
DAWというと難しそうと思うかもしれませんが、ボーカルのレコーディングや曲とMixする方法については、このブログでも紹介しています。
一度目を通してみるとわかると思いますが、そこまで難しくないと思います。
>関連記事「CUBASE LE、AIを使って歌ってみたを作る方法!」へこのCUBASE LEは、やろうと思えばボカロPになることだって可能なほど高性能で多機能なソフトウェアです。
それだけ本格的なソフトが付属してくるのは非常に嬉しいですよね。
注意点としては、
CUBASE LEはインターネットからダウンロードして、シリアル番号を入れる必要があるので、インターネット接続環境が必要になります。
CM25 コンデンサーマイクとHP60 モニターヘッドホン
CM25コンデンサーマイクは、
- ボーカルやアコースティック楽器の録音用に設計
- ラージダイアフラム型コンデンサータイプ
- 20Hz~20kHzの高感度・高音質録音
- 息づかいや繊細なニュアンスまでも補足可能
- マイクスタンドアダプターを同梱
- 接続に必要なハイクオリティーXLRケーブル(3m)を同梱
HP50ヘッドホンは、
- リファレンスクオリティーのヘッドホン
- 幅広い周波数特性
- アジャスタブル
フィットを採用し、装着性を向上 - レコーディングや外部環境に左右されない密閉型ヘッドホン
- ステレオミニプラグにも標準のフォーンプラグにも両方対応
となっており、Focusriteの名に恥じないマイクとヘッドホンがセットになっています。
ちなみにFocusriteは世界的に有名な音響機器メーカーで、世界全体のオーディオインターフェイスのおおよそ3分の1のシェアを占めていると言われています。
オーディオインターフェイスに内蔵される
マイクプリアンプは数々のアワードを獲得しており、その性能はお墨付きと言えるので、オーディオインターフェイスを使うのが初めてに方にとっても安心して手にすることが出来る製品だと思います。
Scarlett Plug-in
※画像はコンプレッサーScarlett Solo Studio Packに含まれるのは機材以外にも、CUBASE LEに追加して使えるエフェクトプラグインもバンドルされています。
先ほどCUBASE LEにはVSTという規格のプラグインを追加してエフェクトを増やせるとお伝えしましたが、この
Scarlett Plug-inもVST規格のプラグインなので、自分で録音したボーカルに使うことが出来ます。
このScarlett Plug-inには、
コンプレッサーのほか、
イコライザー、
リバーブ、
ゲートなどが用意されています。
もちろんCUBASE LEにも同様のエフェクトは用意されていますが、それとはまた違った味付けのエフェクトですので是非インストールして使ってみて欲しいと思います。
その他の付属品
これ以外にも、オーディオインターフェイスとパソコンを接続するための
USBケーブルや、楽曲制作で役立つ
ソフトウェアシンセサイザー Bass Station、1GBにも及ぶサンプルライブラリーの
Loopmastersサンプルコレクションがパッケージされているので、ボーカルレコーディングのみならず、楽曲制作のスターターセットとしても非常に役に立つものがセットになっています。
価格比較
定価ではScarlett Solo Studio Packが安いのですが、発売されてあまり時間が経っていないこともあってか、ショップによっては上位のScarlett Studioと価格がほとんど変わらない場合もあるので、価格については要チェックです。
上位のScarlett 2i2というオーディオインターフェイスがセットのScarlett Studioの方がオーディオインターフェイスは良いものなので、あまり価格差が無い状態であれば、Scarlett Studioの方がおすすめですね。
これから値段も落ち着いて下がってくると思われますが、Scarlett Studioも時期によっては非常に安く手に入るときもあるので、両者の価格をよく比較してから購入するのが賢い買い物の仕方だと思います。
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併せて用意したい機材
今回紹介したセットに加えて用意したいのが、
マイクスタンドと
ポップガードです。
これは「
歌ってみたスターターセットで歌い手を始める!厳選のおすすめ2セット」という記事でも同様のことをお伝えしているのですが、上手に、綺麗に録音するのには必要なもので、かつマイクの寿命にもかかわるものなので、必ずチェックしておいてください。
まず、マイクスタンドはマイクの位置を固定できるので、口からマイクまでの距離を一定に保つことが出来る為、出来る事なら用意しておきたいです。
将来的により良いマイクを購入する予定なら、マイクスタンドも良いものを用意すると永く使えると思います。
良いマイクスタンドはある程度の重さがありますが、安定感が違います。
マイクスタンドはマイクの位置をセッティングしやすいブームスタンドが主流です。
今から良いマイクスタンドを揃えたい場合は5,000円以上のマイクスタンドを選ぶと良いのではないでしょうか。
(ここでは安めのものを紹介しておきます)
ブームマイクスタンド
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ポップガードは、マイクに向かって歌う際の息をマイクに直接ぶつけ無いようにする機材です。
高性能なマイクは、息の「ぼわっ」とした音も拾ってしまうのです。
また、コンデンサーマイクはデリケートなので、無意識で飛ばすツバや湿度のある息によるダメージから保護する役目を持ちます。
ポップガード
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ここで紹介した製品はどちらもそこまで高価ではないので、併せて用意することをお勧めします。
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失礼致しました。おからだに気をつけて、これからも頑張って下さい!