目次
1.Studio One Freeとは
Studio One Freeとは、
PreSonusが
無償で提供する
DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)のことで、
登録が不要で、
完全無料の高性能な
音楽制作ソフトウェアのことです。
パソコンやタブレット等を使って音楽制作するのを
DTM(デスクトップミュージックの略)なんて言いますが、そのDTMのソフトの数あるうちのひとつです。
音楽制作ソフトなので、ボーカルの録音や楽器のレコーディングはもちろん、ボカロオリジナル曲制作などの作曲や、Mixやマスタリング等の高度な音声編集も行えます。
このStudio One Freeは特に使用期限も設けられていないので、ダウンロードしてインストールしてしまえば、ずっと無料で使い続けることが出来るのが最大のメリットと言えますね。
特徴としては、
- 扱えるオーディオ・インストゥルメントトラックが無制限
- 8種類のエフェクトを搭載
- ボリューム等を曲中で自在に変更するオートメーション機能を搭載
- 100以上のプリセットを搭載したソフトウェア音源が付属
等が挙げられると思います。
今回は、この無料で高性能DAWである、Studio One Freeを使って歌ってみたを作る方法を紹介します。
まだ、Studio One Freeを持っていない方は、下記のリンクからダウンロードして下さい。
>>Presonusホームページへ
2.Studio One Freeの設定について
PresonusのホームページからStudio One Freeをダウンロードしてインストールが済んだら、さっそく起動してみましょう。
エンドユーザー使用許諾契約の画面は[同意する]で進めて下さい。
アクティベーション画面は、[
無償バージョンを起動]し、追加コンテンツはスキップして[完了]で大丈夫です。
しばらくすると以下のような画面に移ると思います。
この画面の中央下に[
設定]の項目がありますので、まずはこちらで音声の入出力について確認しましょう。
[設定]の項目に[
オーディオデバイスの設定]をクリックします。
すると、次のような画面に移ります。
この画面の赤枠で囲った、[
オーディオデバイス]がお使いのオーディオインターフェイスになっているかどうかを確認しましょう。
違うものが選択されていたら赤枠をクリックしてタブを表示すると、Studio Oneに認識されているオーディオデバイスが選択できます。
オーディオインターフェイスを使用せずパソコンのマイクINとスピーカーOUTを使う場合は、Windowsの場合は[
Windows Audio]を、Macの場合は[
Built-In Output]を選択します。
ちなみに、ここでお使いのオーディオインターフェイスが選択できない場合は、オーディオインターフェイスのドライバーがインストールされているか確認してみて下さい。
また、一部の安価なマイク(SONY PCV80Uなど)は接続できてもStudio Oneで使えない場合があります。
その場合は、Audacityなど別のソフトで歌ってみたを録音するといいでしょう。
⇒
関連記事「フリーソフトAudacityで歌ってみたを録音する方法」お使いのパソコンのCPUがマルチコアの場合、
マルチプロセッシングを有効にしておくとStudio Oneを快適に使うことが出来ます。
3.新規ソングを作成しよう
それでは早速、歌ってみたを作っていきましょう。
Studio Oneでは、ひとつの曲のプロジェクトを
ソングと言います。
Studio One Freeを起動して表示される最初の画面の左上に[
新規ソングを作成]というボタンがあるので、そちらをクリックします。
※赤丸部分をクリックすると新規ソングが作れるそうすると、新たにソングのスタイルを選んだり、ソングタイトルや音質、曲のテンポ設定などを選ぶ画面になります。
最初から[
空のソング]が選択されていると思うので、そこはそのままでいいと思います。
ソングタイトルは任意の分かりやすい名前を付けておきましょう。
また、ファイルの保存場所を設定する項目があるので、パソコンの任意の場所に新規フォルダを作ってそこに保存するようにするのを勧めます。
1曲ごとにフォルダを作って管理すると後々管理が楽になりますよ。
その他の項目は画像の様な設定にしておきました。
これで良ければ[
OK]ボタンを押します。
すると、下の様な画面になります。
この画面は
ソング・ページと言って、一番使う画面なので覚えておきましょう。
4.オフボーカル音源を用意しよう
歌ってみたでは、元となる曲の
オフボーカル音源(カラオケ音源)と、自分の歌声をMix(合体)させる必要がありますよね。
そこで、まずStudio Oneにオフボーカル音源のファイルを読み込むことから始めましょう。
ニコニコ動画だと、ボカロオリジナル曲を歌ってみた動画が多いと思うので、ここでもボカロオリジナル曲の歌ってみたを作ってみたいと思います。
多くの場合、ボカロオリジナル曲のオフボーカル音源は本家のオリジナル曲動画の説明文のところにダウンロードURLが貼ってあると思います。
まずはそちらからオフボーカル音源をダウンロードしましょう。
⇒
関連記事「歌ってみたのカラオケ音源の用意の仕方と著作権」
ここがポイント
Studio One Freeは、読み込みできるオーディオフォーマットに制限があります。
ボカロオリジナル曲のオフボーカル音源は
MP3というオーディオフォーマットの物が多いのですが、Studio One Freeでは、この
MP3フォーマットの音源は読み込めません。
ダウンロードしてきた音源は
iTunesを使ってフォーマットを変更すると良いでしょう。
iTunesであれば、MacもWindowsも両方対応しています。
Studio One Freeでは、
- Wave(wav)
- AIFF(aif)
- AIFC(aifc)
- Apple Impulse(sdir)
- Audioloop
- FLACファイル(flac)
- Ogg Vobisファイル
- REXファイル
といったオーディオフォーマットのみ対応しています。
ここではAIFFに変換してみましょう。
※クリックして拡大表示iTuneの[
設定]を開くと表示される[
一般]の下の方に、CDをセットした時の動作で[
インポート設定]を選択。
インポート方法を[
AIFFエンコーダ]で[
OK]します。
次に、変更したいMP3の音源をiTuneにドラッグ&ドロップするとプレイリスト画面に移るので、読み込まれた音源を選択し、右クリック⇒[
AIFFバージョンを作成]。
するとプレイリストにAIFFというオーディオフォーマットに変更された音源が作られるので、それをデスクトップなど、自分の分かりやすい所にドラッグ&ドロップしておくといいでしょう。
⇒iTune サポート「曲を別のファイルフォーマットに変換する方法」へここで作ったAIFFフォーマットのオフボーカル音源をStudio One Freeに読み込ませます。
5.ファイルをインポートしよう
音源ファイルの読み込み(インポート)は非常に簡単です。
新規ソングを作成した後に表示されるソング・ページ画面上部のメニューバーから
[
ソング]⇒[
ファイルをインポート]を選択。
するとブラウザが開くので、先ほど作ったAIFFファイルを選択しましょう。
ファイルを選択すると、自動的にトラックが作成されて以下のような画面になると思います。
この様な画面になっていればインポートは成功です。
オフボーカル音源を直接Studio One Freeのトラック部分にドラッグ&ドロップしても同様にインポートすることが出来ます。
無事に再生できるかどうか、画面下の
プレイボタンを押して確認してみて下さい。
6.歌を録音しよう
ここまで出来たら、あとはボーカルの録音ですね。
まずはボーカルの録音用に別のトラックを作る必要があります。
メニューバーの[
トラック]から[
オーディオトラックを追加(モノ)]を選択。
すると、トラック2という新しいトラックが作成されます。
トラック2を選択すると、下の画像の様になると思います。
トラック2の
録音ボタンが赤くなっていることを確認してください。
ここが赤くなっていないと、録音できませんよ。
録音を始める前に、マイクの音をStudio One Freeが感知しているかも確認しておきましょう。
適当にマイクに向かって声を出してみて下さい。
ちゃんと音が拾えていれば、下の画面のように緑色の
レベルメーターが反応すると思います。
緑色のレベルメーターが反応しない時は、以下の項目を確認してみて下さい。
- マイクのスイッチが入っているか?
- オーディオインターフェイスのGAINを上げてみる
- マイクやオーディオインターフェイスが正しくパソコンに接続されているか?
- オーディオデバイスの設定で、使っているインターフェイスを選択しているか?
- コンデンサーマイクの場合、+48ファンタム電源が供給されているか?
無事に緑のレベルメーターが動いて、マイクの音を拾っているようでしたら、あとは録音するだけです。
トランスポートパネルの[
ゼロに戻る]ボタン(巻き戻しボタン[|◀])を押して、頭出しを必ずして下さい。
※トランスポートパネルの赤枠で囲った部分を録音前に押そう頭出しが出来たら、同じくトランスポートパネルの録音ボタン[●]を押すと、録音が開始されます。
トラック1のオフボーカル音源も再生されるので、曲に合わせて歌うだけです。
録音が終了したらトランスポートパネルの停止ボタン[■]を押して止めましょう。
オフボーカル音源のトラックと、ボーカルトラックが別々に並びましたね。
録音中は
クリップ(音量の上限を超える)しないように気を付けましょう。
クリップするとブツブツッとノイズが入ってしまいますよ。
クリップしたかどうかは緑のレベルメーターの部分が赤くなるのですぐにわかると思います。
7.ミックスしてみよう
再生してみて、オフボーカル音源と自分の歌声の音量バランスが悪い時は、音量バランスを整えて上げる必要があります。
まず試しておきたいのは、
オーディオのノーマライズです。
ノーマライズは最大音量0dBに達していない音源にたいして、クリップしないギリギリまで音量を上げる処理を行うものです。
※音を大きくしたいトラックを選択しておくようにメニューバーから[
オーディオ]⇒[
オーディオをノーマライズ]で選択すると、自動的に音量がクリップしない程度に大きくしてくれます。
このままではバランスがとりにくいと思いますので、Studio One Freeの
ミキサーを使って音量バランスを取っていきます。
Studio One Freeのミキサーはソング・ページ右下の[
ミックス]ボタンを押すと開きます。
※ミキサーがソング・ページの下部に表示されるこの画面で、各トラックのボリュームやエフェクトの設定などが出来ます。
ボリュームの調整はミキサーの各トラックのボリュームフェーダーを操作します。
※縦に伸びるスライダーを操作するとボリュームを調整できる実際にスピーカやヘッドホンなどでオフボーカル音源とボーカル音源の音量バランスが丁度良い所まで、調整をしてみましょう。
一番右の
Outputは
マスターになっていますので、基本的には調整はせず、ここが
0dBを超えてクリップしないようなバランスに整えるのがコツです。
8.ミックスダウンしよう
ボリュームのバランスが整ったら、
ミックスダウンでひとつのオーディオファイルに出力しましょう。
ミックスダウンをするまえに、ミックスダウンする範囲を選択しておきましょう。
範囲の選択は
トラックマーカーで行います。
デフォルトではトラックの上部左上に隠れていますので、マウスで引っ張って伸ばしてあげます。
このトラックマーカーを曲の最後まで引っ張って設定しておきましょう。
ミックスダウンは
メニューバーの[
ソング]⇒[
ミックスダウンをエクスポート]
から行います。
すると、次のような画面が表示されるので、ファイルの出力先やファイル名を決めておきましょう。
フォーマットはWaveにしました。
範囲をエクスポートの項目で[
ループ間]に指定すると、先ほどのトラックマーカーで設定した範囲のみ出力されます。
全ての設定が済んだら、[OK]を押すとミックスされた音源が出力されます。
ここで、全体の音量が0dBを超えてクリップしている場合は警告がでます。
無事にミックスダウン出来ましたか?
これで、あなたの「歌ってみた」音源の完成です!
エフェクトを使ってもっと高度なミックスをしたい人は
記事「歌ってみたとMixの美味しい関係」を参照してみて下さい。
動画と音声を合成する方法については、
記事「簡単!歌ってみた曲と動画を合成する方法まとめ」を参考にして頂ければ幸いです。
9.まとめ
Studio One Freeで歌ってみたを作る方法についてご紹介しました。
最初は録音方法や使い方が分からない人も多いかと思います。
今回はエフェクトなどの難しい事は抜きにして記事を書かせて頂きました。
Studio One Freeは無料ソフトとしては非常に優秀なソフトである反面、それなりに制限もあります。
MP3フォーマットが扱えない、搭載エフェクトが少なく、後からエフェクトを追加できない等がそれに当たります。
使っていく中で機能に不満が出てきたら、上位版へアップグレードするのが良いでしょう。
上位版のStudio One 2 Artistとオーディオインターフェイス、コンデンサーマイク、ヘッドホンがセットになった
PreSonus AudioBox iTwo STUDIO
が新発売となりましたので、ちょっと上を目指したい歌い手さんはチェックしてみると良いと思います。
また、Studio Oneをもっと便利に使いたい方や、もっと機能を知りたい人は、Studio Oneについて詳しく書かれている書籍を手に取ることをおすすめします。
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