Singer Song Writer Lite 9とは
Singer Song Writer Lite 9とは、
インターネットが発売する国産の
DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)です。
先日発売されたインターネットのフラッグシップDAW「
ABILITY
」のエントリーモデルにあたりますが、そのクリエイティブポリシーは継承されており、高品位なAUDIOプロセッシング & MIDIエンジンを搭載しています。
>>関連記事「INTARNETのSSW後継にあたる新DAW『ABILITY』の機能と魅力に迫る!」Singer Song Writer Lite 8から9への大きな変更点としては、
- VST音源“Roland Hyper Canvas”の追加
- ACIDファイルが扱えるようになった
- アレンジ機能のアレンジデータ数が387⇒407まで増えた
- BGM自動作成のジャンルが50⇒70に増えた
- スコアエディタやボーカルエディタのウィンドウ色が設定できるようになった
等が挙げられます。
とはいえ、SingerSongWrite Liteを使ったことが無い方からしてみれば、どんなDAWなのか分からないと思いますので、インプレッションを含めて紹介したいと思います。
Singer Song Writer Lite 9の機能と魅力
新しく、そして更に使いやすくなったSinger Song Writer Lite 9の機能と魅力についてクローズアップしてみましょう。
Singer Song Writerは国産のDAWであり、その強みとして日本のユーザーの声を反映する形で制作が行われているそうです。
そのため、ユーザーから挙がった「ここをこうして欲しい」と言った意見を出来るだけDAWに反映するようにしてバージョンアップが行われているのです。
優秀なAUDIO・レコーディング機能
DAWの基本機能とも言えるレコーディングの性能ですが、SSW Lite9では
32ビット浮動小数点モードのAUDIOエンジンを搭載しており、よりクリアなサウンドを加工・編集することが可能です。
オーディオインターフェイスの性能にもよりますが、
最大24bit/96kHzまでのAUDIOフォーマットに対応しているので、非常に解像度の高いサウンドを扱う事ができるようになっています。
これは業界スタンダードのDAWと比べても遜色のないハイクオリティーなレコーディングが可能であることを示していますね。
もちろんASIOに対応しているので、低レイテンシーでのモニタリングで音楽制作が出来ます。
オーディオフォーマットもWAV、MP3、WAMに加えて、今回のバージョンアップで
ACIDファイルを扱うことが出来るようになったので、更に使い勝手が良くなったようです。
もちろん、これらのオーディオデータは
VSTプラグインのエフェクトを使ったり、オーディオデータの分割や結合、開始と終了位置の編集、クロスフェード加工なども出来るので、楽器やボーカルのレコーディング以外でも力を発揮します。
※収録されているVSTプラグインのひとつ、6Band EQ扱えるトラック数はLite版ということもあり、8トラック(同時録音は1トラックのみ)と少なめではありますが、VSTiとの併用を考えればエントリーモデルとしては十分なトラック数と言えるでしょう。
ボーカルエディタを搭載
SSW Lite9の機能として着目したいのが、
ボーカルエディタです。
その名のとおり、歌モノの楽曲の要となるボーカルのピッチやタイミング補正を行ってくれる強力なツールで、音質を損なわずに編集できるのが特徴です。
※画像クリックで拡大表示CUBASEやSONARなどのDAWでは、通常こうしたボーカル編集機能はフラッグシップモデル(最上位版)でしか搭載されていませんが、SSW Lite9では「ボーカルエディタ」として搭載されているのも魅力のひとつです。
このボーカルエディタは、ボーカルのメロディーラインのピッチとタイムを検出し、1音1音をMIDIデータのようにピアノロール上に表示して音程の補正や、発音の長さ、タイミングの変更、ビブラートの設定などが行えます。
設定はマウスのドラッグ&ドロップで簡単に行えるほか、厳密なピッチやタイムはピッチタイムエディットウィンドウというエディット画面で細かく設定することもでき、ピッチカーブをマウスで描くなどの自由度の高い編集が可能になっているようです。
歌ってみたやVOCALOIDの歌声を調整する時などにも有効なので、歌い手さんやボカロPにとっても非常に味方となる機能だと思います。
使いやすいMIDIシーケンス機能
MIDI入力に定評のあるSSWシリーズ。
SSW Lite版はステップ入力(MIDI情報を数字で打っていく入力法)が出来ませんが、それでも
スコアエディタを使ったMIDIノートの入力は個人的にも非常に使いやすいと思います。
もちろんMIDIキーボードでの打ち込みには対応していますよ。
※画像クリックで拡大表示僕自身がピアノを弾く人間なので五線譜の方が好きなのもありますが、色々なDAWを使ってみましたがスコアエディタはSSWが一番使いやすいですね。
スコアエディタを使うメリットは、複数のパートがそれぞれ鳴らしているノートを一発で目視できる点にあります。
どの音がどのタイミングでどのパートが鳴らしているかを確認できるのは五線譜の強みですよね。
今でこそピアノロールが主流になりつつありますが、五線譜は五線譜の良さがあるのです。
個人的な意見ですが、SSW Liteのスコアエディタは癖も無く、シンプルで、かつスピーディーに打ち込みが出来るので本当に使いやすいと思います。
今回のバージョンアップで、入力済み音符の各種パラメータの確認・変更を行えるノートプロパティが、スコアエディタウィンドウにドッキング表示できるようになったので、更に視認性・操作性共に向上しているようです。
※画像クリックで拡大表示もちろんSSW Lite9 にはピアノロール入力も可能です。
SSWの
ピアノロールは少し前までは使いづらくオマケ程度の機能でしたが、最近は他のDAWと同様の操作が出来るようになったので、十分実用に耐える機能となりました。
複数トラックのMIDIノートを色を変えてレイヤー表示することが出来るので、トラックごとの音の重なりや発音タイミングの視覚的確認が容易になりました。
もちろん、ベロシティやピッチベンド、エクスプレッションなどのMIDI CCの入力や編集が出来るので、スコアエディタと併用して使うことで、お互いの入力方法の長所を生かすことが出来ます。
初心者に嬉しい作曲・アレンジをアシストする機能
SingerSongWriter Lite9には、初心者に嬉しい機能として
BGM自動生成機能や、
EZアレンジ機能、
メロディー自動生成が搭載されています。
※ジャンルやコード進行を指定するだけでBGMが自動生成されるこの機能はそのまま使うよりも、曲のアウトラインをザックリ作ったり、作曲で行き詰った時のヒントのような感じで使う方が多いかもしれません。
初めて一から曲を作る時などはコード進行の勉強や、曲の構成等を知る時に役に立つと思います。
また、SSW Lite9には多くの音素材が収録されています。
収録されている内容としては
- MIDIアレンジデータ
65ジャンル・407ファイル、10,350パターン(小節)のアレンジデータを収録 - AUDIOフレーズデータ
約70ジャンル・3,900種類のAUDIOフレーズデータ(ACIDファイル)を収録 - MIDIフレーズデータ
約70ジャンル・3,400種類のMIDIフレーズデータを収録 - コード進行データ
430種類のコード進行素材、300種類のメロディ付きコード進行素材を収録
と非常に豊富です。
それぞれ自由に組み合わせて曲を作ることも出来ますが、手癖のような使い慣れたコード進行から脱却した新しいメロディーを作りたいときや、良いフレーズが思い浮かばないときの助けにもなると思います。
あと、たまに「フレーズを思いついたけどピアノロールに打ち込みできません、どうしたらいいですか?」と言った悩み相談が僕のところに来ます。
要するに思いついたフレーズをMIDIノートに落とし込めない(=耳コピ出来ない)ということですが、そんな方に役立ちそうなのが
鼻歌入力(シングtoスコア)機能。
※鼻歌入力画面この鼻歌入力は精度が完璧ではないので、あくまでもアシスト機能と思って頂いた方が良いのですが、音程を取るのが苦手な方にとっては助けになるでしょう。
本格的なミキサーとエフェクトプラグインを搭載
SSW Lite9は初心者向けのイメージが強いですが、DAWの機能として必要なものは詰め込まれています。
当然、オーディオトラックやMIDIトラック等をミキシングする
本格的なミキサーも備わっています。
各トラックごとにボリュームやPANの調整はもちろん、Sendエフェクトトラックやチャンネルストリップエフェクトも備えてあります。
また、Compressor、Delay、Distortion、Gate、EQ、Maximizer、Limiter、Deesser、Filter、Chorus、Stereo Enhancerなどの定番の
VSTエフェクトプラグインを24種類搭載しています。
※RMS COMPRESSORで音圧を稼ぐ事もできるエントリーモデルとしてはエフェクトの種類は豊富で、Maximizerなど音圧を上げるプラグインも揃っており、一通りのことは出来てしまいそうです。
本格的なミキサーとエフェクトを搭載しているので、楽曲制作以外の用途として、歌ってみたのMixや演奏してみたのMixも可能でしょう。
音源にRoland Hyper Canvasが追加
今回のバージョンアップに伴って
Roland Hyper Canvas(VSTiソフト音源)が追加されました。
Roland Hyper Canvasは
ABILITYの前身であるSinger Song Writer 10Proから登場した音源で、今まで標準で搭載された
VSC(Virtual Sound Canvas)と併せて使えるソフトウェア音源です。
GM2に対応した256音色の高音質ソフトウェア音源で、9つのドラムセットを内蔵しており、一層曲作りが楽しく、クオリティーの高いものへ仕上げることが可能となりました。
これに加えて、ベルリン生まれのプラグインメーカー
LinPlugのアナログシンセサイザー
ALPHA3を搭載。
2基のオシレータを搭載したシンセサイザーの基本とも言えるべき構成で作られたALPHA3は、設定次第で無限の音色を作り出すことが出来るので、上記のRoland Hyper CanvasやVSCと組み合わせて使う事で、様々な曲作りに対応することが出来ます。
製品情報
Singer Song Writer Lite 9
必要な動作環境
- 対応OS:Windows Vista、7、8、8.1(それぞれ64bit,32bit)
- CPU:Intel/AMDデュアルコアプロセッサー以上
- メモリ:2GB以上
- HDD空き容量:3.5GB以上
以上に加えて、ダウンロード版でない場合はDVDドライブ、アクティベーションにインターネット接続環境などがあります。
詳しくは
製品ホームページを参照してください。
5つのラインナップ
Singer Song Writer Lite 9には5つのラインナップが用意されています。
各社日本語のVOCALOID2、VOCALOID3を持っている方はボーカロイドユーザー優待版、学生ならアカデミック版がお買い得ですよ。
まとめ
DTM入門ぴったりの初心者用DAW「SingerSongWriter Lite9」、いかがだったでしょうか?
初心者用とは言っても、MIDIの打ち込みは他のDAWの追随を許さないほど使いやすいので、僕は未だにSingerSongWriter Liteを使って曲作りをしています。
32bit浮動小数点モードのオーディオエンジンや各種のVSTエフェクトを備えており、本格的なミキサーも使えて13,500円は
非常にコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
加えて、この価格帯ではまず手に入らない
ボーカルエディタを搭載しているので、ボーカルの録音を考えている人やVOCALOIDユーザーにとっても強い味方になってくれることでしょう。
初心者の方にも嬉しい作曲・アレンジのアシスト機能や各種のサウンド素材も豊富に含まれており、使い方が詳しく書いてある
ユーザーズマニュアルが付属してくるので初めての方でも安心して手に取ることが出来ると思います。
最後まで記事を読んで下さってありがとうございました!
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