オーケストラ音源を導入するメリット
DAWに付属するマルチ音源にもオーケストラサウンドは入っていますが、それでもオーケストラ専門音源を追加するメリットについて、始めにお伝えしておきたいと思います。
サードパーティー製のオーケストラ音源を揃える最大のメリットは、ずばり“
リアリティ”です。
そもそもオーケストラというものは、非常に様々なパートが存在しますよね。
オーケストラの代表的な楽器としては、
- 弦楽器:バイオリン、チェロ、ビオラ、コントラバス
- 木管楽器:フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット
- 金管楽器:トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバ
- 打楽器:ティンパニ、シンバル、トライアングル、カスタネット
等の名前が挙げられると思います。
ここで注目したいのは、楽器によって様々な奏法があると言う事。
バイオリンを例に挙げると、レガートやスタッカートはもちろんのこと、トリルや指で弦を弾いて奏でるピカチートといった特殊な
奏法もあります。
楽器ひとつ取っても、奏法によって様々な表現が出来るため、ソフトウェア音源としてオーケストラを表現しようとすると、
の分だけ音色を収録する必要があり、そのデータは非常に膨大になることが容易に想像できます。
DTMでオーケストラサウンドを取り入れた楽曲を作ろうと思っても、DAW付属のマルチ音源に収録されているオーケストラサウンドはレガート等の基本的な音色が殆どで、音質や表現力には全く期待できません。
そこで必要になってくるのが、様々な奏法をそれぞれひとつひとつ丁寧にサンプリングし、生楽器が奏でるサウンドの輪郭を余すことなく収録した、オーケストラ音源(インストゥルメント)というわけです。
また、DTM用のオーケストラ音源の収録は専用のスタジオで行われており、徹底した音質管理とリアリティの追求がなされています。
各楽器の特性を最大限引き出すための機材や、優秀なエンジニア、そしてトップクラスの奏者が共同して開発している為、音質に関しては文句のつけようがありません。
そんな素晴らしいオーケストラサウンドを自分の思いのまま演奏させることが出来るのもDTMの大きな魅力のひとつと言えますね。
おすすめのオーケストラ音源
それでは早速、DTMでおすすめのオーケストラ音源を厳選して紹介しましょう。
どの音源も非常に音質が良く、またリアルなオーケストラサウンドが手に入りますが、それぞれ特徴もあります。
自分の求めている使用目的を考えながら参考にして頂ければ幸いです。
Symphonic Orchestra PLAY Edition Platinum Complete
Symphonic Orchestra PLAY Edition Platinum Complete
- 参考価格:66,000円
- 対応OS:Windows、MacOS
- 対応プラグイン:VST、AU、RTAS、AAX
- 商品情報:ハイ・リゾリューション
※EAST WESTのPLAYエンジンで動作する50以上の業界アワードを受賞する
EAST WASTが世に放った、定番中の定番であるオーケストラ音源です。
ハリウッド映画やサウンドトラック、TV、マルチメディア、ステージなど様々な場面で使われており、そのクオリティは業界のお墨付き。
ちなみに僕もこのSymphonic Orchestraを愛用しています。
EAST WASTといえば、世界的にも有名で評価の高い“Western Recorders”という70人編成のオーケストラも収録できるスタジオを所有していることでも知られていますね。
このSymphonic Orchestraには4つのグレードが用意されており、
- Platinum Plus Complete
- Platinum Complete
- Gold Complete
- Silver Complete
がラインアップされています。
この中でおすすめしたいのは、
Platinum Completeです。
金額的には少し高いのですが、その金額に見合った分のサウンドを提供してくれます。
収録されるサウンドは高音質24bitで、総容量はなんと117GBにも及びます。
オーケストラで使用される楽器は殆どカバーされており、各種の奏法も余すことなく収録されているので、冗談抜きに本物の音色が手に入ります。
リアルなサウンドを再現するため、レガート、ポルタメント、レペティション、ラウンドロビンなど様々な機能が搭載されており、各音源もホール、クローズ、ステージの3つのマイクポジションで収録されています。
各楽器の音色も、ソロから複数人編成をそれぞれ収録しているので、目的に合ったオーケストラサウンドを得ることが出来ます。
そのサウンドは非常にダイナミックレンジが広く、本物と間違えるほど豊かな表現が可能なため、国内外の多くの著名作家が使っているのも頷けます。
Symphonic Orchestra PLAY Edition Platinum Completeを使用して作られた楽曲動画があったので紹介します。
よくよく聞いてみると、かなり耳慣れたサウンドですよね。
そして、非常に奥深く、味わいのある音色であることが聴いてわかって頂けたと思います。
DTMオーケストラ音源の定番であるSymphonic Orchestraは、映画等でも使用されるだけあって、圧倒的なクオリティーで存在感のある音色ですね。
Platinum Completeさえあればオーケストラサウンドのほとんどは手に入るし、様々な奏法も網羅出来るので、迷ったらコレという選択でも間違いはないと思います。
こちらの製品は、別途
iLok
が必要になるので持っていない方は合わせて用意する必要があります。
Symphonic Orchestra Platinum
Amazon
楽天市場
Yahoo!ショッピング
サウンドハウス
ただ、Platinum Completeは決して安くはありません。
その場合は、サンプリングレートが16bitで、マイクポジションがステージに限定されますが、33GB容量の
Gold Complete
も検討するのもありかと思います。
(個人的にはPlatinum Completeが良いと思います)
ORCHESTRAL ESSENTIALS
ORCHESTRAL ESSENTIALS
※KONTAKT PLAYER 5で動作するアンサンブル音源「Symphobia」シリーズや、パーカッション音源「True Strike」シリーズで知られる、
ProjectSAMのオーケストラ音源です。
こちらの製品は同社の各専用音源のイイトコ取りした音源で、フル・オーケストラ、ストリングス、ブラス&ウッドウィンズ・アンサンブル、そしてクラシカル&ワールドパーカッション等の音色を網羅しています。
どちらかというと、映画のサントラの様なシネマティック楽曲を作りたい人に向いており、効果音の様なものも収録されています。
ORCHESTRAL ESSENTIALSは容量は6.9GBと少なく、軽快に動作するのも大きな特徴でしょう。
MIDIキーボードとモジュレーションホイールを使う事で、割と簡単に雰囲気のあるサウンドが得られます。
重厚なオーケストラサウンドが得意な反面、各楽器ごとの収録では無く「FULL ORCHESTRA」、「STRINGS」、「BRASS」といたセクションごとに分かれて収録されています。
そのため、「ヴァイオリンソロの音色が欲しい」等の希望がある人には向かないと思います。
とは言え、非常に手軽にオーケストラアンサンブルを演奏することが出来るので、シネマティックな楽曲を作りたい方にはおすすめできます。
どんな音色かは、デモムービーで視聴してみてくださいね。
動画では、かなり本格的なサウンドが演奏できるのを確認できたと思います。
音もしっかりと芯があり、存在感のある音色ですよね。
こういったシネマティックな楽曲を作りたい人には非常におすすめな音源と言えるでしょう。
ORCHESTRAL ESSENTIALS
Amazon
楽天市場
Yahoo!ショッピング
サウンドハウス
VIENNA SPECIAL EDITION VOL. 1
VIENNA SPECIAL EDITION VOL. 1
※VIENNA INSTRUMENTSで動作するVIENNAシリーズは本場ウィーンの有名交響楽団で活躍する一流奏者たちによる演奏をサンプリングしたオーケストラ音源です。
このVIENNA SPECIAL EDITION VOL. 1は、オーケストラで良く使われる奏法も含め、アンサンブルを含めた全28のインストゥルメントを24bitの高音質で収録したエントリーモデル的な位置づけになります。
特筆すべき点として「パフォーマンス検出アルゴリズム」が挙げられます。
1つのプリセット、1つのMIDIトラックで、数百というアーティキュレーションを操作できるようになるアルゴリズムを搭載している為、リアルタイムでも本格的な演奏が可能となっています。
VIENNAシリーズは、拡張性があるのも魅力のひとつです。
SPECIAL EDITIONはVOL. 1から4まであり、さらに追加アーキュレーションが収録されたPLUS版もあるので、全て揃えるとかなりのボリュームになります。
とは言っても、SPECIAL EDITIONはVOL. 1があれば、一般的なオーケストラサウンドは生み出せますので、必要になった時に追加すれば良いでしょう。
VIENNA SPECIAL EDITION VOL. 1は総容量が約40GBとなっています。
現在はパッケージ販売は終了し、ダウンロード販売のみとなっています。
インターネット回線が遅い環境だと、ダウンロードにかなり時間がかかってしまうので、その点は注意が必要です。
VIENNA INSTRUMENTの製品紹介ムービー(英語)を貼っておきますので、参考にしてくださいね。
直感的に使用でき、音質も非常にリアルであるのがお分かり頂けたかと思います。
VIENNA INSTRUMENTもDTMオーケストラ音源としては非常に有名であり、これらのインストゥルメントを制作する為だけに専用のスタジオを作ったというのですから凄いですよね。
音質も使いやすさも文句なしのインストゥルメントであり、楽器ソロやアンサンブルも必要なものは一通り揃っています。
追加で必要な音源を追加する楽しみもあるので、可能性は無限に広がっているとも言えるでしょう。
こちらの製品は、別途
VIENNA KEY
か
eLicenser (Steinberg Keyなど)
が必要になります。
VIENNA SPECIAL EDITION VOL1
Amazon
楽天市場
Yahoo!ショッピング
サウンドハウス(取扱い無し)
まとめ
今回は、DTMでおすすめのオーケストラ音源を紹介させて頂きました。
どの製品もそれぞれ魅力のある音源なので、自分の制作スタイルや予算に合わせたものを手にしてもらえれば良いかと思います。
参考までにザックリおさらいすると、
という具合だと思います。
やっぱり、こうしたクオリティの高いオーケストラ音源を持っていると、単純にMIDIキーボードで演奏しているだけでもインスピレーションがありますし、曲作りを忘れるほど演奏を楽しめたりします。
オーケストラ音源は、普段オーケストラ楽器を曲で使わない人こそ、是非使ってみてもらいたい音源ですね。
DAW付属の音源が貧相に思えてくるほど、質の高いサウンドが得られるので、こうした音色を上手く楽曲に取り入れると、また新しいサウンドを生み出すことが出来ると思いますよ。
製品によっては、USBドングルが必要なものがありますので、持っていない場合は合わせて調達しましょう。
最後まで記事を読んで下さってありがとうございました!
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