Addictive Drums 2って何?
使い方の説明をする前に、Addictive Drums 2 について説明しておきましょう。
Addictive Drums 2はXLN Audioから発売されたばかりの、DTM用ソフトウェア ドラム音源です。
VST、AU、AAX等のプラグイン規格に対応しているので、それらのプラグインが使えるDAWであれば、このAddictive Drums 2を追加して使う事が出来るんですね。
※CUBASE 7でAddictive Drums2を立ち上げたドラム音源を追加する一番の理由は、リアルなドラムサウンドが手に入ると言う事です。
DAWにも標準でドラムの音は用意されていたりしますが、こちらは市販のプラグインソフトウェアになります。
Addictive Drums 2の特徴としては、動作が軽く、プリセットやリズムパターンも豊富に用意されているので、初心者にも優しいと言う点。
また、キットピースの音色を細かくエディット出来るので、本格的に音作りがしたい上級者にも満足できる仕様となっています。
今回のAddictive Drums 2は4つのバンドルパッケージでの販売となっています。
- XXL Studio バンドル=ADpak ×6、MIDIpak ×6、Kit Peace ×6
- Producer バンドル=ADpak ×3、MIDIpak ×3、Kit Peace ×3
- Artist バンドル=ADpak ×2、MIDIpak ×2、Kit Peace ×2
- Solo バンドル=ADpak ×1、MIDIpak ×1、Kit Peace ×1
ADpakとはドラムセットのこと、MIDIpakとはMIDIリズムパターン、Kit Piaceとは単体のドラムピースの事です。
Addictive Drums 2の機能については過去の記事で詳しく紹介させて頂きましたので、そちらも読んで頂けるとAddictive Drums 2を持っていない人でも、どのような音源なのかわかると思います。
>関連記事「XLN Audioの最新ドラム音源 Addictive Drums2の新機能を紹介」DEMO版(機能制限なし)の配布もありますので、興味がある方はXLNアカウントを作成の上、ダウンロードして使ってみてください。
>XLN Audio アカウント作成ページ
Addictive Drums 2の使い方
早速ですが、Addictive Drums 2の使い方について紹介していきます。
インストールについてわからない場合は
High-Resolutionさんのページを参照にすると良いでしょう。
今回僕は、より快適に使いたかったのでSSDにライブラリ(ADpak)をインストールしました。
「DTMにSSDを導入してソフトウェア音源を爆速で読み込む方法」で紹介しましたが、音源ライブラリをSSDという読み書きが高速なドライブにインストールすることで、音色のロード時間を劇的に短くすることが出来るのでおすすめです。
ドラムキットのカスタマイズ
Addictive Drums 2を立ち上げると、ギャラリーページと言うドラムセットの選択画面になります。
そこに、ご自身が購入されたキットが表示されているかと思いますので、まずベースとなるキットをギャラリーページか、ブラウザーページで選んでおきましょう。
キットを自分好みにカスタマイズするには、キットページを開きます。
画面右上のKITボタンを押すと、キットピースが18個はめ込めるスロットが表示されたキットピース画面が開きます。
ここから、自分の曲にあったキットピースを選ぶ事が可能です。
今回僕は、METALのADpakからピースを変更していきたいと思います。
※METALのADpakはこんな感じのキットピースが並ぶ 例えばスネアを変更したい場合は、スネアのビジュアルの下側に表示されているピースの名前の部分をクリックすることで、持っているスネアの一覧が表示されます。
また、スロット左上の「
L」ボタンでビジュアルも確認できますし、その下の▲▼ボタンで、順送りでピースを変更することが出来ますよ。
※左上のLボタンでキットピースブラウザが開くこうすることで、自由にキットピースを組み合わせてオリジナルのドラムキットを作ることが出来ます。
ADpakを追加しすることで選択できる音色は増えていくので、必要に応じて追加購入するのも良いでしょう。
選択したキットピースの音色を確認したい場合は、スロットのビジュアルを直接クリックするか、MIDIキーボードやドラムパッド(コントローラー)を使用する事でも確認できます。
ビジュアルの上の方でクリックするとベロシティが高い(強く叩いた)音が鳴ります。
真ん中でベロシティが中ぐらい、下部はベロシティが低い(弱く叩いた)音が鳴るので、ベロシティによるサウンドの変化を確認する事が出来ます。
また、自分で組み上げたドラムキットは保存しておくことが出来ます。
Addictive Drums 2の画面左上の
フロッピーディスクの画像を押すとプリセット保存画面になるので、プリセット名やType、Sound Idealなどを好みに合わせて設定できます。
Sound Idealは、そのキットの音色をグラフで示したのもで、プリセットを検索する時の目安になります。
グラフを左寄りに振ると、ナチュラル系サウンド。
右寄りに振ると、エフェクトで加工したような過激なサウンドという意味になります。
プリセットの保存では、プレビュー時のMIDIリズムパターン自分で作ったものが保存できます。
MIDIキーボードなどを演奏したリズムを保存したい時は、RECボタンを押すことで記録することができますよ。
FLEXIスロットとLINKモードを使おう
全部で18あるスロットには、
FLEXIスロットが3つ含まれます。
このFLEXIスロットには、「Kicks」、「Snares」、「Hihats」、「Toms」、「Extras」の表示が出て、何でも好きなピースを当てはめることが出来ますので、色々と重宝します。
FLEXIスロットの使い方としては、
- シンバルの音色を足したい
- パーカッションを加えておきたい
- タムを追加してタムまわしを派手にしたい
等が、すぐに思いつくと思うのですが、ここではもう一歩踏み込んだ使い方をしてみましょう。
今回のAddictive Drums 2から備わった
LINKモードを使うと、設定したピースを同時に鳴らすことが出来ます。
これを使う事で、スネアと一緒にタンバリンを鳴らしたりすることはもちろん、用意されているTrig音源を加えることで激しいサウンドにも埋もれないドラムキットが組み上げたりすることが出来ます。
LINKモードを使うには、連動元のキットピースのグラフィック右上にある∞マークを、LINKさせたい音色までドラッグ&ドロップしてあげるだけです。
例として、バスドラの音を激しいサウンドに埋もれないようにLINKモードでアタックを強調できるようにしてみましょう。
ます最初に、FLEXI1に「Trig Kick 4」というサウンドをセットしておきます。
次にバスドラのグラフィック右上の∞マークを、FLEXIスロットへドラッグ&ドロップしてあげます。
こうしてあげると、バスドラと同時にFLEXI 1のサウンドも鳴ります。
Trig Kick 4はバスドラのビータが鳴らす乾いた高音部分の音色に近く、これを一緒に鳴らしてやることで、バスドラのサウンドをより目立たせると同時に、埋もれにくく出来ます。
このLINKモードは簡単に設定できるので、非常に使い勝手が良いですね。
ドラム音源は単体で鳴らした時よりも、まわりのサウンドと混ざった時の音色の方が大切だと僕は思っています。
このLINKモードを使うことで、埋もれやすいキックとスネアが前に出てくる感じに出来るので非常に重宝しています。
エディットページで音作りをしよう
キットページで選んだ各ピースは、それぞれエディットページで、さらに深く音作りをすることが出来るようになっています。
具体的に、どのような音作りが出来るかを紹介していきましょう。
エディットページは下の様な画面になっています。
ミキサー上部の「KICK」等の編集したいピースアイコンを押すか、編集したいグラフィックの右上の「
E」ボタンを押すことで、編集したいピースのエディットページに切り替える事が出来ます。
KITPIACE CONTROL部分は左から
- RESPONSE
入力ベロシティーによって再生されるサンプルの幅を調整できます。 - PITCH
再生されるサンプルのピッチを変更することができます。 - PITCH ENVELOPE
時間経過で、サンプルのピッチがどのように変更するかを調整できます。 - VOLUME ENVELOPE
時間経過で、サンプルのボリュームの変化量を調整できます。 - CUT
再生されるサンプルのハイカット・ローカットを調整できます。
の項目があり、それぞれを調整することでピースのサウンドを細かく調整できます。
たとえば、スネアの
PITCHを上げると、ピッコロスネアのような鳴りを表現することも可能です。
また、シンバルの余韻を早めに消したい場合は、
VOLUME ENVELOPEを調整するといいと思います。
使い方によっては、エフェクト音的な加工も出来るので、サウンドの飛び道具として使っていくのも面白いでしょう。
また、画面中段にはエフェクト群が並びます。
マイクセッティング一番左端のマイクセッティングはキックとスネアで編集が可能です。
キックであれば、Beater側とFront側で出音のバランスを取ることができ、
スネアであれば、Top側とBottom側(スナッピー側)のバランスを調整できます。
NOISEノイズの設定を行えます。
ノイズの種類はTUBE含めて8種類から選択できるようになっており、
Decayでノイズが消えるまでの時間を、
Levelでノイズの量を調整できます。
COMP&DISTコンプレッサーとディストーションの設定をすることができます。
コンプレッサーは左側のスライダーで
Thr(スレッショルド)を調整し、
Ratio(レシオ)、
Atk(アタックタイム)、
Rel(リリースタイム)のツマミで、コンプのかかり具合を調整します。
ディストーションはTubuPairやCrunch等の計7種類から選択し、
Amountでディストーションのかかり具合を、
Mixでドライとウエットのバランスをとります。
左側のバーはハイカット・ローカットの調整になっています。
EQ今回のバージョンより、3バンドから4バンドイコライザーに仕様変更されました。
そのことで、今まで以上に音作りがしやすくなっています。
さらに、Mix時にも大変役立つハイカットフィルターとローカットフィルターが搭載されたので、使い勝手が格段に向上しています。
画面隅の▶◀を画面上でドラッグすることで、FREQとQが同時に調整できます。
TAPE&SHAPEテープシュミレーターは、アナログサウンドを再現する為のエフェクトで、
Driveを上げると厚みのあるサウンドになります。
Bottomを上げると低域が持ち上がってくるので、音を太くしたりする時に使うと良いと思いますが、KICKは逆にモコモコしてくるので、使い方には気を付けましょう。
SAHPEは、アタックのコントロールに使えます。
Attackを大きくすると、その名の通りアタックが強調され、小さくするとアタック感が少なくなります。
Decayはアタックの余韻を調整するパラメーターで、大きくするとアタック後に音が小さくなるまでの時間が長くなります。
言葉では説明しにくいのですが、スネア等で調整してみると分かりやすいでしょう。
サチュレーティングリミッターは、簡単に言うとリミッターです。
Thrで設定した値より大きい音が入力されると動作し、アナログサウンドっぽい歪みを加えてくれます。
効果がわかりにくエフェクトなのですが、軽くかけておくことで音にまとまりが出てきます。
以上の様に、Addictive Drums 2には音作りのためのサウンドコントロールとエフェクトが豊富に搭載されており、かなり本格的に作りこめます。
また、エフェクトに関しては、個別のピースだけでなくMASTERにも使うことが出来るので、全体的なサウンドを整える際にもエフェクトは是非活用してもらいたいと思います。
最初はプリセットサウンドに設定されているデフォルトの状態から、気になる部分を少しずつ調整して、実際に他のパートとMixする段階で細かく微調整していくやり方が良いのではないかと感じました。
DELERBで空間シュミレートを行う
FXページでは、空間シュミレートを行う
DELERBが搭載されています。
このDELERBはディレイとリバーヴを組み合わせたトータルエフェクトになっており、左からディレイ、クロスフェーダー、リバーヴ、イコライザー、アウトプットとなっています。
DELERBはFX1とFX2のふたつのチャンネルがあるので、FX1に各ピースの空間を、FX2に全体のトータルリバーヴを…といった使い方も出来ます。
※SendがONになっていると、ミキサー上部が青白く光るFXページを開くと、下部のミキサー画面の上にSendの調整スライダーも表示されます。
スライダーは2本あり、上がFX1のSend、下がFX2のSend量を調整できる仕組みです。
上の画像はDELERBの核となる部分です。
一番左にはディレイを調整する
TIME、
Feedback、
Swing、
Ping Pongの調整ツマミと、ハイ&ローカットフィルターが並びます。
ここでパラメーターを調整し、好みのサウンドに合わせたディレイを設定していきます。
一番右にはリバーブを調整する
Predelay、
Decay、
Damp、
Swirlの調整ツマミが用意されています。
リバーブの種類は、Plate、Amb、Room、Hallの4種類が用意されています。
このディレイとリバーヴを混ぜるバランスを、中央のスライダーで調整するという使い方がメインになります。
スライダーを左に動かせば、ディレイ寄りに、右に動かせばリバーヴよりの空間シュミレートを行う事ができます。
また、DELERBを使う事で、不要な低~中音域が持ち上がってしまう事もあると思うので、そのような場合はイコライザーでカットしましょう。
DELERBに付属するイコライザーは2バンドになっていますが、エディットページのエフェクトと同様にハイカット・ローカットが行えます。
BEATSページからリズムを検索
Addictive Drums 2では豊富なMIDIリズムパターンが用意されています。
その豊富なリズムパターンにアクセスするには、BEATSページを開きます。
※画面はMETAL MIDIpak最初はALLで選択されているので、かなりのボリュームが表示されています。
購入したMIDIpakは画面右側のギャラリーから選ぶことも出来ますし、検索バーのLibraryから選択することも出来ます。
Library以外にもCategory、Tempo、Time Sigで欲しいリズムパターンの絞り込みが可能となっています。
また、今回新しく備わった
Grid Searchを使う事で、視覚的にリズムパターンを探すことも出来るようになりました。
Grid SearchのPreset A~Dボタンを押すと、大まかに分類されたパターンが表示されます。
グリッドに表示されている灰色の丸部分を押すと、さらに絞り込む事が可能です。
グリッドは4×3が4つで構成されており、これで1小節を表現しています。
要するにグリッドひとつが16分音符と考えて良いでしょう。
Library含め全てALLの状態から、欲しいリズムを直接Gridに打ち込んでいく事でも検索は出来るので、色々と試してみると良いと思います。
実際に検索されたリズムは一覧で表示され、現在選択されているリズムは右下の画面で視覚的に確認が可能となっています。
※選択されたリズムパターンが表示される実際に音を確認する時は上の画面のPLAYボタンを押してスタート、もう一度押してストップになります。
DAW側のプロジェクトの再生と連動させてリズムパターンを再生したい場合は、
Sync Play/Stopボタンを押しておきましょう。
この機能を使えば作った楽曲にマッチするリズムパターンを他のパートを再生しながら検索出来るので、非常に便利と言えます。
気に入ったリズムパターンが見つかったら、そのリズムパターンをDAWのトラックへドラッグ&ドロップすると、簡単に貼りつけることが出来ます。
※気に入ったリズムパターンが見つかったらDAWへ貼りつけよう
BEAT TRANSFORMを使って新しいリズムを作ろう
検索したリズムパターンをさらに変化させる機能も充実しているのがAddictive Drums 2です。
BEAT TRANS FORMを使えば、アクセントの変更や、実際に人間が叩いているようなリズムの揺れ等も簡単に表現できます。
※水色は元のMIDIデータ。オレンジは加工後TRANSFORM画面では、
- VELO
ベロシティーの強弱の分布幅を調整 - ACCENTS
アクセントの位置を調整 - RANDOM
ノートのタイミングとベロシティーにランダム要素を加える
以上のような変更が出来るようになっています。
さらに、
KITPIECE MIX & REASSIGN画面では、スネアをリムショットに変更したり、ハットをライドに変更したり、特定のピースだけのベロシティを強めたりすることも簡単にできます。
Speedの項目では、リズムパターンを倍速にしたり、逆に1/2にしたりすることができます。
拍子が4/4のものを6/8に変更することまで可能となっているので、これらを組み合わせれば様々なリズムパターンを生み出すことが出来るのです。
便利な機能が満載
ドラムサウンド以外にも様々な便利機能が搭載されています。
最後に、非常に便利な機能をひとつ紹介しておきましょう。
スナップショット機能スナップショットと言っても、画面を撮影するのではなくて、キットやエフェクトの状態を仮保存できます。
Addictive Drums 2の画面右下にカメラの絵がついていますね。
このカメラボタンを押すことで、現在の設定を仮保存しておくことが出来ます。
エフェクトをかける前と後でサウンドを比較したい場合や、音作りをしていて結局最初の音が良かった…なんて時に、この仮保存しておいたものを読み込むことで、元の状態に戻せたりします。
スナップショットは4つまで仮保存が出来るので、うまく活用して下さい。
また、DAWを閉じるなどした場合は、スナップショットのデータも消えるので注意しましょう。
使用してみた感想
実際に使ってみた感想ですが、噂通りに動作が軽く、音質もいいですね。
沢山機能はありますが、分かりやすいインターフェイスなので、初心者の方も直感的に使えると思います。
エフェクトも必要なものは揃っているので、別途パラアウトしなくてもAddictive Drums 2の中で音作りは完結できるのではないかと感じました。
最近のドラム音源は大容量化が進んでいるので、音質は良くてもサンプルのロードに時間がかかってしまうのがマイナスポイントでした。
それを考えると、Addictive Drums 2は
容量が少ない割に、音はしっかりと芯があるしリアルな音が得られるので本当に人に勧められる製品だと思いました。
僕は今までドラム音源はSuperior Drummer 2をメインに使っていたのですが、完全に乗り換えですね。
軽さと音質を絶妙なバランスでまとめた非常に優秀なドラム音源ですので、是非多くの方に使って見て欲しいと思いました。
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