マスタリングとマスタリング・プラグインとは?
そもそも、マスタリングとはどういう事でしょうか?
過去記事の
歌ってみたの音圧を上げる方法でも触れましたが、ミックスダウンした音源はマスタリングと言う処理を施して、最終的に音質や音圧の調整を行い、楽曲のイメージを決めていきます。
まさに、音楽制作の中の最終行程とも言えるでしょう。
厳密に言うと、CD等のメディアの原版(スタンパー)を作る作業や、多くの楽曲を収録するアルバムCD等を作る際の曲同士の音量合わせなどの作業もマスタリングと言われています。
ですが、ここでは楽曲の総仕上げとして行う作業のマスタリングについて話を進めていきたいと思います。
マスタリング・プラグインのひとつ、T-RackS 3マスタリングは、主にイコライザー、コンプレッサー、マキシマイザー等のプラグインを用いて楽曲の雰囲気を形にする作業ですが、マスタリングエンジニアという職業がある通り、その作業は非常に奥が深く、また難しいのも事実です。
ですが最近はDTMの普及に伴い、趣味で曲を作ったりレコーディングした音源を自宅でマスタリングする方も増えています。
そういう僕もその一人です。
自分でマスタリングを行うと、自分の作った曲を最終的に形にする部分まで手掛ける事が出来る反面、実際にマスタリングしてみると、実に難しい作業であることに気づかされます。
ただ単に音圧を稼ぐだけであれば、DAWに付属しているマキシマイザーの類のプラグインを使う事で音圧を高める事ができます。
ですが、思ったように音質にならなかったり、音割れが起きてしまったりと、マスタリングを経験したことがある人は、その作業に四苦八苦したことでしょう。
そこで、有償のマスタリングプラグインの出番と言う事になります。
マスタリング・プラグインが必要な理由
マスタリング・プラグインは、その名の通りマスタリング時に使用されることを前提として制作されています。
従って、最終的な音の仕上げで使っても、原音のイメージを崩さずにナチュラルに音を持ち上げてくれることが可能となっています。
DAWにもグレードによっては、マスタリング用のプラグインが用意されていますが、そこは有償版プラグイン。
プリセットを選ぶだけで曲の雰囲気に合わせて簡単に音圧を上げたり、独自のアルゴリズムを用いて音割れを防いだりすることが、有償のマスタリング・プラグインを導入する大きなメリットと言えるでしょう。
プリセットが豊富なマスタリング・プラグイン Ozone5そして、その音質も見逃すことができません。
ちょっと考えてみてください。
そもそも、サードパーティー製の有償マスタリング・プラグインが存在する理由は、お金を払ってでも使いたい程の機能が秘められているからでしょう。
つまり、DAW標準のマスタリング・プラグインには無い機能が備わっているという事です。
それは使い易さであったり、プリセットの数であったりしますが、各メーカーがこだわっているのは、やはり音質。
どんなに使い易くても、音楽を仕上げる為に使うプラグインなので、どのメーカーも音質には非常にこだわって制作されています。
要するに、サードパーティー製のマスタリング・プラグインは、DAW標準のマスタリング・プラグインに比べると操作性や作業性、そして音質が対価を払ってでも手に入れる価値があると言う事なのです。
DTMでおすすめのマスタリング・プラグイン
それでは早速DTMでおすすめのマスタリング・プラグインを紹介しましょう。
今回紹介するプラグインは僕も全部使っているもので、どれも個性的で、音質にも特徴があります。
できれば楽曲によって使い分けたり、組み合わせたりする使い方も余裕があればおすすめしたいです。
iZotope Ozone5
iZotope Ozone5- 参考価格:26,300円
- 対応OS:Windows、MacOS
- 対応プラグイン:VST、RTAS、AU、MAS、DirectX
- 商品情報:TACSYSTEM
iZotope社のOzone5は、本当におすすめしたいマスタリング・プラグインです。
このマスタリング・プラグインは、これひとつでマスタリング作業が完結するように、さまざまなエフェクトが統合されており、
- マキシマイザー
- EQ(MS処理可)
- マルチバンド・ダイナミクス
- マルチバンド・ステレオ・イメージング
- マルチバンド・ハーモニクス・エキサイター
- リバーブ
- ディザリング
といったマスタリングに不可欠なエフェクトを、ひとつのプラグインで使う事が出来ます。
もちろん、組み合わせも自由自在で、エフェクトの順番も自由です。
ただ単に音圧を上げるだけではなく、曲のステレオ感を調整したり、リバーブで細かい仕上げをしたりするのも、このプラグインで済んでしまうのです。
そして、何と言ってもプリセットが豊富なのが嬉しい。
エフェクトを組み合わせたり、それぞれのエフェクトのかかり方を調整するのが、苦手(面倒)な人でも、100以上もあるプリセットの中から自分のイメージに近いものを選ぶだけで、マスタリング作業が簡単に行えてしまうのです。
そう聞くと初心者向けプラグインかと思われがちですが、そんなことはありません。
痒いところに手が届くと言ってよいほど、それぞれのエフェクトは非常に細かい調整が行えるようになっており、初心者から上級者まで対応するプラグインなのです。
加えて嬉しいのが価格。
これだけ機能が豊富でプリセットも揃っているにもかかわらず、なんと約26,000円。
マスタリング用のプラグインで悩まれている方には、まず最初に手に取って頂いて損はないと思います。
また、マスタリング以外でも各トラックへインサートして使うことも出来るので、使用用途は本当に幅広いです。
このOzone5を持っていれば様々な場面で活用することが出来るのも、おすすめのポイントでしょう。
紹介動画がありましたので、参考にしてみてください。
このOzone5には
上位版があり、さらに3Dスペクトログラムを利用したリアルタイム表現等を可能としていますが、非常に高価になる割に増えるメリットが少ないので、紹介は割愛させて頂きますね。
iZotope Ozone5
Amazon
楽天市場
Yahoo!ショッピング
サウンドハウス
IK Multimedia T-RackS 3 Deluxe
IK Multimedia T-RackS 3 Deluxe- 参考価格:14,800円
- 対応OS:Windows、MacOS
- 対応プラグイン:VST、RTAS、AU
- 商品情報:IK Multimedia
AmpliTubeで有名なIK MultimediaのT-RackS 3 Deluxeも非常におすすめですね。
T-RackSは、高性能なアナログ機材をモデリングして作られたマスタリング・プラグインで、音質は非常にアナログに近い感覚で個人的には、かなり好きです。
先ほどのOzone5とは違ってリバーブやステレオ・イメージングはありませんが、見た目も中身も個性的なコンプレッサーやリミッター、EQが揃っており、非常に音作りが楽しいマスタリング・プラグインとなっています。
収録されているエフェクトは、ヴィンテージ・チューブコンプレッサー/リミッターやイコライザーなど計9種。
その中から好きなエフェクトを好きな順番、好きな組み合わせで繋いでマスタリングしていきます。
プリセットも50近く揃っているので、そこから好きなものを選んでも良いでしょう。
また、視認性の良い各種のメーターが備わっているので、音圧を気にされる方にはうってつけのプラグインかもしれません。
動作が少し重めですが、2ミックスで使う分には問題なく快適に動作します。
以前はT-RackS 3 Deluxeもパッケージ版で売られていたのですが、T-RackS Custom Shopになってからはダウンロード版が主流になっています。
その分、価格がおさえられているので、まだT-RackSを使ったことが無い方は、一度T-RackSのアナログサウンドを体感してみるのもいいでしょう。
すべて英語ですが、チュートリアル動画がありますので参考にしてみてください。
IK Multimedia T-RackS 3 Duluxe
Amazon
楽天市場
Yahoo!ショッピング
サウンドハウス
Waves L3
Waves L3- 参考価格:15,750円
- 対応OS:Windows、MacOS
- 対応プラグイン:VST、RTAS、AU、AAX
- 商品情報:メディア・インテグレーション
L3-LL Multimaximizer最後に紹介するのは、DTMプラグインで有名なWavesのL3です。
Waves L3は、Wavesの最高峰マルチバンド/ピークリミッターである
- L3 Multimaximizer
- L3 Ultramaximizer
- L3-LL Multimaximizer
- L3-LL Ultramaximizer
といった、マスタリングで使える強力なエフェクトプラグインのバンドルになっています。
マスタリングの世界では絶対あってはならないクリッピングを回避しながら、全体的な音圧を最適化し、サウンドのキャラクターも操作できるプラグインが詰め込まれています。
L3-LL Ultramaximizer特に注目したいのは、その操作性。
基本的にはThresholdのスライダーを下に下げるだけで、簡単に音圧を適正化して持ち上げてくれる優れもの。
特に何も考えなくても、簡単に、かつ自然に音圧を稼げるてしまうので、さすがは天下のWavesと言えます。
僕も初めて使ったときは「これはインチキだ!」と思ったほど、滑らかに音圧があがるのです。
音質特性はどちらかと言うとナチュラルで、先ほどのT-RackSほど派手さはありません。
ですが、無難で耳あたりの良い音を求める方にとっては最適と言えます。
そのナチュラルな音色が逆に特徴とも言えるので、聴く人が聴けば「Wavesの音だ」とハッキリわかるでしょう。
プリセットはそれぞれのエフェクトに20程度用意されています。
動作が比較的軽めなのも嬉しいポイントです。
Waves L3の使い方を分かりやすく紹介した動画があったので、確認すると良いかもしれません。
Waves L3
Amazon
楽天市場
Yahoo!ショッピング
サウンドハウス
まとめ
今回は、音圧を上げる為のDTMおすすめマスタリング・プラグインについて紹介しました。
音圧がなかなか上手に上げられない方にとって、これほど頼りになるプラグインは無いでしょう。
どれも、非常に優秀なプラグインなので、自分の楽曲の音圧を上げてブラッシュアップしたい方に、本当におすすめしたいと思います。
あなたもプロクオリティーのマスタリング・プラグインを使って、新たなサウンドを手に入れてレベルアップしてみては如何でしょうか?
最後まで記事を読んで下さってありがとうございました!
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