フィジカルコントローラーとは?
フィジカルコントローラーは、
コントロールサーフェイスと呼ばれる事もあり、
DTMで使われるDAWのフェーダーやPAN等を直接操作する機器のことです。
似たものでMIDIコントローラーと言うものがあります。
MIDIコントローラーはその名の通りMIDIの機能を操作するもので、 DAWを操作する物ではなく、DAW上で動いているソフトウェア音源(ドラムやシンセ等)を操作するものです。
フィジカルコントローラーの多くは、このMIDIコントローラーの機能を併せ持っているので、どうせならフィジカルコントローラーを用意する方が良いでしょう。
フィジカルコントローラーを使うメリット
フィジカルコントローラーを使うメリットは沢山あります。
ますは、フェーダーやPANの操作が手元でスライダーやツマミを使って行えるのが1番でしょう。
マウスを使って画面上で操作する場合、数値を細かく調整したい時などは思った数値に合わせたりするのが非常に手間ですよね。
リアルタイムにオートメーションを描く時などは、マウスでは非常にやりにくいのも事実でしょう。
このような場合、物理的なフェーダーがついているフィジカルコントローラーを使う事で、直感的に操作することが出来るので、非常にMix作業がはかどるというメリットがあります。
また、ツマミを装備しているフィジカルコントローラーの場合、DAW上で起動しているソフトウェア音源のコントロールが出来ます。
シンセなどのソフトウェア音源をマウスで調整するとき、GUIのツマミをひとつひとつ操作して音作りをすることになりますが、フィジカルコントローラーを使うことで、様々なコントロールを同時に行うことも出来るようになります。
PLAYボタンやソロ・ミュートボタン等を備えているフィジカルコントローラーも多く、DAWを快適に扱うための機能も持ち合わせています。
フィジカルコントローラーを選ぶポイント
フィジカルコントローラーも各社から多くのラインナップがリリースされています。
お手軽価格の物から、非常に高価なものまで沢山ありますが、一体どれを選んだらよいのでしょう?
ここでは、フィジカルコントローラーを選ぶ際のポイントについて確認します。
フェーダーの数とストロークの長さ
ボリュームを操作するフェーダーを装備しているコントローラーが多いですが、製品によってフェーダーの数とストロークの長さが異なります。
フェーダーの数が1本の場合、当然DAWのフェーダーの操作は1トラックになります。
フェーダーが複数装備されている場合、同時に数トラックのボリュームを同時に操作することが出来る反面、フェーダーの分だけコントローラーのサイズは大きくなり、場所を取ります。
また、フェーダーのストロークできる長さは操作性に関わってきます。
ストロークが短いものは、その分細かいボリューム調整がしにくいが、コントローラーはコンパクト。
逆に、100mmの一般的なストロークがあるものは、細かい調整が出来る反面、縦のサイズが大きくなります。
フェーダーの数やストロークの長さは設置場所に関係してきますので、ご自身のDTM環境に応じて選択するのが良いでしょう。
フェーダーの駆動方式
フェーダーにはいくつか種類があり、フィジカルコントローラー選びでは重要な部分です。
一般的なフェーダーは手動で動かすものが多く、別のトラックを編集する際に元のトラックのフェーダーの位置でスライダーが止まったままになっており、少々扱いにくい部分があります。
その点を改善するのが、モーター駆動式のフェーダーを備えたフィジカルコントローラーです。
フェーダーがDAW上のトラックと完全に同期するので、トラックを切り替えても適切な位置にフェーダーが勝手に動いてくれるのです。
しかし、フェーダーをモーターで動かす分、USBバスパワーでは力不足で、別途電源を取る必要があります。
とは言え、電源ケーブルがかさばるデメリットを超えてメリットの方が大きいので、気にすることは無いでしょう。
高精度タッチセンサーを備えたフェーダーも存在します。
こちらは物理的なフェーダーというより、スマートフォンの様なタッチパネルをフィジカルコントローラーに搭載したもので、モーター駆動と同じくDAWのトラックと完全に同期させることができ、かつUSBバスパワーで動かせるのがメリットです。
今のところ、タッチセンサー式のフィジカルコントローラーはSteinbergのCMCシリーズがメジャーブランドで唯一のラインナップとなっています。
ツマミ、パッド、その他のボタンの種類と数
フィジカルコントローラーのもう一つの特徴はDAWをコントロールするツマミやパッド、ボタンを数多く装備している事です。
PANやEQの調整やMIDI CC、ソフトシンセのコントローラーにアサインして調整するためのツマミ、ドラム打ち込みに役立つドラムパッド、STARTやREC、チャンネルの設定やDAWウィンドウを開くボタン等があります。
フィジカルコントローラーによってコントロールできる機能は様々ですが、直接DAWを操作できる便利な機能が沢山あるので、こちらも選ぶときのポイントですね。
おすすめのフィジカルコントローラー
フィジカルコントローラーは各社から様々な製品がリリースされていますが、その中でも特におすすめ出来るものを最後に紹介したいと思います。
どれも、それぞれ個性があるので、ご自身のDTM環境を含めて検討して見ては如何でしょうか?
Novation ZeRO SL MkⅡ
Novation ZeRO SL MkII- 参考価格:32,600円
- 動作環境:Windows XP(SP2)以降、MacOSX 10.4以降
- 商品情報:Hige Resolution
- 商品規格:幅445mm、奥行293mm、高さ68mm
Novationが生み出した高機能フィジカルコントローラー。
AutoMapというソフトウェアが付属しており、主要DAWやプラグインのパラメーターがあらかじめプリセットされているのですぐに使う事ができる。
視認性抜群のLEDと大きめのLCDスクリーンを装備し、必要な情報を視覚的に確認できるのも嬉しい。
※クリックで画像拡大フェーダーはモーター駆動ではないがタッチセンシティブ式60mm物理フェーダーを8本搭載。
16のツマミ、8つのソフトドラムパッドを備え、PLAYやREC等のトランスポート機能を搭載したボタンも装備している。
マウスが指定した箇所を調整するためのスピードダイヤルも備え、DAWやソフトを自由に操作できるのが魅力の商品です。
ZeRO SL MkⅡ
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サウンドハウス
PRESONUS FaderPort
PRESONUS FaderPort- 参考価格:17,800円
- 動作環境:Windows XP(SP2)以降、MacOSX 10.6以降
- 商品情報:PreSonus
- 商品規格:幅130mm、奥行180mm、高さ40mm
新鋭のDAW「Studio One」シリーズで有名なPreSonusが生み出したフィジカルコントローラー。
とは言え、主要なDAWで使用出来るので、Studio Oneユーザーでなくても問題ない。
モーター駆動式フェーダーを搭載し、ストロークも100mmとスタジオ等で使われるフェーダーと同等の長さを持ち合わせているため、非常に緻密なフェーダーワークが可能な製品です。
画像を見るとお分かり頂けると思うが、DAWを直接コントロールする為のPLAY、REC等はもちろん、Read&Write、Mute&Soloボタン等多く用意されています。
モーターフェーダーを搭載し、DAWの操作とMix時に欲しい機能が凝縮されたフィジカルコントローラーが、この価格で手に入ると考えれば、非常にお買い得と言えそうです。
また、Studio Oneの最上位版「Studio One Professional 2」とセットになった「
Studio One FADER
」が発売されており、最高クラスのDAWとフィジカルコントローラーが併せて5万円を切る驚愕のプライスとなっている。
こちらも要チェックの商品でしょう。
FaderPort
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サウンドハウス
Steinberg CC121
Steinberg CC121- 参考価格:43,600円
- 動作環境:Windows XP以降、MacOSX 10.6以降
- 商品情報:Steinberg
- 商品規格:幅284mm、奥行185mm、高さ72mm
こちらはSteinberg Cubaseシリーズ専用のフィジカルコントローラー。
Cubase専用設計なので、Cubaseとの相性は抜群。
ボタンの配置もCubaseに限りなく近く配置しており、DAWをそのままハードウェアにしたような操作感覚が得られる。
モーター駆動のタッチセンシティブ100mmフェーダーを搭載。
ポイント&コントロールノブでDAW上にマウスオンしたパラメーターを調整するなどの画期的な使い方ができる。
Cubaseを使っているユーザーはお分かりだと思うが、「e」ボタンもちゃんと配置されているのが嬉しいですね。
EQも、Q・F・Gをそれぞれツマミで調整できので、各チャンネルの音作りにもしっかりと対応してくれる。
もちろん、その他必要な機能は全て備えているので、CubaseユーザーはこれさえあればDAWのコントロールは充分でしょう。
Steinberg CC121
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楽天市場
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サウンドハウス
i-CONTROL PRO
i-CONTROL PRO- 参考価格:27,500円
- 動作環境:Windows XP以降、MacOSX 10.5以降
- 商品情報:HOOK UP
- 商品規格:幅392mm、奥行180mm、高さ26mm
様々なDTM製品を世に送り出すiCONからもフィジカルコントローラーがリリースされています。
こちらの製品も主要なDAWに対応している「Mackie control仕様」に準拠しているので、すぐ使えるのが嬉しいですね。
また、付属のマッピングソフト「iMap」を使う事で簡単に設定を変える事が出来るようになっています。
このiCONTROL PROの凄いところは、9本のフェーダーが全てモーター駆動するというところです。
つまり、マスタートラックを含むすべてのフェーダーがDAWと完全に同期するので、Mix作業をする際に非常に効率が良いのです。
デザインはMac Book Proに特にマッチするよう作られており、堅牢なメタルボディで耐久性にも気を配っています。
ボタンにはLEDを搭載して視認性を高めており、PAN設定用のツマミも用意されていて、それぞれiMap等で機能を自在に割り当てる事が出来るようになっています。
残念ながら、SONAR、ASID、ProToolには対応していないので、これらのDAWを使っているユーザーは気を付けて欲しいと思います。
iCONTROL PRO
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サウンドハウス
Steinberg CMC CH
Steinberg CMC CH- 参考価格:8,870円
- 動作環境:Windows XP以降、MacOSX 10.5以降
- 商品情報:Steinberg
- 商品規格:幅102mm、奥行183mm、高さ29.5mm
こちらもSteinberg Cubaseシリーズ専用のフィジカルコントローラー。
CMCシリーズは全6種類のフィジカルコントローラーをラインナップしており、その内のCMC CHはチャンネルコントローラーとしての役割を持ちます。
こちらのCMC CHは高精度タッチセンサー式フェーダーを採用しており、スマートフォンの画面をスライドするような感覚でフェーダーを調整することが出来ます。
フェーダーとPAN調整ノブを備え、「e」ボタンをはじめとして、チャンネルセレクトボタンや、Read&Write、ミュート&ソロボタン、インサートエフェクトやEQ、SENDSのON・OFFを行うボタンが充実しているのが特徴です。
まさしくCubaseのチャンネル操作に特化したフィジカルコントローラーと言えるでしょう。
このCMCシリーズには他にもパッド、フェーダー、トランスポート、AIノブ、クイックコントローラー等の種類があり、自分のDTM環境に応じて、必要な機能だけを追加していくことが出来るようになっているのです。
Steinberg CMC CH
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サウンドハウス
KORG nano KONTROL2
KORG nano KONTROL2- 参考価格:3,400円
- 動作環境:Windows XP以降、MacOSX 10.4以降
- 商品情報:KORG
- 商品規格:幅325mm、奥行83mm、高さ30mm
KORGからも、リーズナブルなフィジカルコントローラーがリリースされています。
低価格ながら、8チャンネル分の操作端子を装備し、DAWのコントロールをするためのPLAY等のトランスポートボタンを搭載しています。
トラック選択ボタンやマーカー移動ボタンもあるので、必要最低限の機能は備えています。
また、付属のKORG KONTROL Editorというソフトを使う事で、各コントローラーをカスタマイズすることが可能となっており、MIDI CCのコントロールも出来るようになっています。
※クリックで画像拡大他のフィジカルコントローラーと比べると、若干見劣りする部分が多いですが、それでも4,000円未満でフィジカルコントローラーを手に入れられると考えれば、非常に魅力的な価格設定ではないでしょうか?
フィジカルコントローラーの導入を悩んでいる人も手軽に手に取って使う事が出来る商品ですね。
KORG nano KONTROL2
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サウンドハウス
まとめ
今回は、効率よくDTMでMix作業する為におすすめのフィジカルコントローラーについて紹介しました。
フィジカルコントローラーは多くのラインナップがありますが、機能と操作性を重視したコントローラを厳選させて頂きました。
それぞれ個性があるので、ご自身のDTM環境や求めている機能で選ぶのが良いと思います。
自論になりますが、DTMの機材というのは「愛着」が大切ですね。
本当に気に入った機材であれば、今後も長く使い続けるでしょうし、その上DTMの作業効率を高めてくれるので、妥協せずに気に入ったものを選ぶといいと思います。
あとは、機材を持つことによる意欲やモチベーションも高まると思います。
だからこそ見た目にもこだわりたいですよね。
最後まで記事を読んで下さってありがとうございました!
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