ボーカルのPAN設定とイコライザー(EQ)の使い方|ニコニコ道具箱

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ボーカルのPAN設定とイコライザー(EQ)の使い方

歌い手として、曲のクオリティをあげるにはMixが大切だと、前回お伝えしました。
>前回記事「歌ってみたとMixの美味しい関係」

今回は、歌ってみたのMixの基礎となるPANの設定と、エフェクトで一番重要であるイコライザー(EQ)について紹介をしたいと思います。
エフェクトは難しそう…って思うかもしれませんが、使えるようになれば、あなたの歌ってみたのクオリティを確実にあげられるので、是非挑戦してみてください。

iZotope Ozone

Mix時のPANの設定


まず、歌モノのMixの主役は「歌声」であることは間違えないでしょう。 
DAWでは、音を左右(ステレオ)に振り分けるPAN(パン)の設定が出来ます。
エフェクトの前にPANの設定について、ここで確認してください。

ボーカルはセンターへ

カラオケ音源と歌声をMixする際、歌声のPANはセンターから動かさないようにしましょう。 
殆どの歌モノの曲はボーカルがセンターに定位しています。
伴奏もボーカルがセンターにあることを前提として作られているので、特別な理由が無い場合は歌をセンターに配置しておきましょう。

PAN
※画像はCUBASE 7

デュエット曲の振り分け方

2人以上で歌ってみたをされる場合は、PANを“ほんの気持ち”左右に振ってあげると、立体的な音像が作れます。

(例)
 歌い手A=L(左)側に5~15程度
 歌い手B=R(右)側に5~15程度

ぐらいが丁度いいのではないでしょうか?
PANの設定や数値はお使いのDAWによって変わってきますので、目安程度に考えてください。
あまり左右に振りすぎると曲のバランスが崩れますので気を付けましょう。

ハモリパートの振り分け方

ハモリパートをMixする際は、ボーカルをセンターに配置したうえで、ハモリパートを左右どちらかに配置すると上手にいくと思います。
ハモリパートが複数ある場合は、ハモリ1を左、ハモリ2を右といった風に左右で振り分けると良いでしょう。

PAN振り幅の設定は好みになってしまいがすが、ボーカルと馴染ませたいのであればボーカル寄り(センター)、ボーカルと分離して聞かせたい場合はボーカル(センター)から離すと良いでしょう。
このあたりは決まりは無いので、聴いていて一番馴染む場所を探しましょう。

(例)
 ボーカル=C(センター)
 ハモリ1=L(左)側に15~50程度
 ハモリ2=R(右)側に15~50程度


また、歌声の音源はステレオでもモノラルでもどちらでも良いです。
ここは人によって意見が分かれますが、モノラルの方がエフェクト処理が軽かったり、オーディオの波形が見やすかったりしますので、特にこだわりが無ければモノラルで良いと思います。


ボーカルの定番エフェクト


このブログでは、ボーカルトラックに特によく使われるエフェクトについて説明していきます。
まず最初に紹介したいのは

  • イコライザー
  • コンプレッサー&リミッター
  • リバーヴ

です。
上記の3つは、Mixをする上での基礎中の基礎であり、一番クオリティを左右する部分ですので、「もう知っているよ」って方も、一度おさらいしておきましょう。
ケロケロボイスやピッチ修正も今後記事にしていくので楽しみにしていてください。

今回は、まず初めに、エフェクトの中で一番大切な「イコライザー(EQ)」について説明をしていきます。

EQ=イコライザー


EQ
※画像はCUBASE 7

イコライザーは音の周波数帯に対して増幅&減衰できるエフェクトになります。
簡単に言うと、低音を削ったり、高音を増幅したり出来ます。

ボーカルにイコライザーを使う事で、低音部分のこもっている部分をカットし、声のハリが出ている高音部分を持ち上げて、歌声を聴こえやすく、クリアにすることが出来ます。

グラフの上下で音量(Gein=ゲイン)を表し、
グラフの左右で音の高さ(Hzで表記)を表しています。

イコライザーはパラメトリックイコライザーグラフィックイコライザーというものがあり、上記の画像はパラメトリックイコライザーになります。
パラメトリックイコライザーは殆どのDAWには標準装備されているイコライザーですので、ここではパラメトリックイコライザーを例に、話を進めていきます。

「Q」について

初心者でわかりにくい表記として「Q」と言うものがあります。
「Q」とは、指定したHzの上下どれぐらいの周波数(=音域、音の高低)に影響を与えるかを設定するものです。

例えば…
800Hzの音量を上げたときに、その前後の周波数も一緒に上げないと、800Hzの音だけ大きくなってしまって、音楽として不自然になります。
(例えると、ひとつのピアノで、真ん中のドだけ爆音になったら変ですよね?)

そこで、「Q」で、800Hzと一緒に周りの700Hz~900Hz付近を一緒に持ち上げてやることで不自然さを解消するのです。

上記の例で「Q」を広く設定すると、800Hzを中心に600Hz~1200Hzまで緩やかなカーブを描いて音量を上げることが出来ます。
逆に「Q」を狭く設定すると、800Hzを中心に700Hz~900Hzまでの狭い帯域だけ音量が上がることになります。
「Q」を設定する時は、不自然な音になっていないか気を付けましょう。


歌声の周波数帯の分布

始めてイコライザーを使うときは、どこをどうしてあげたら良いのかわかりませんよね。
まず、歌声の基本的な周波数帯の特徴を大まかに分けてみました。

■超高音域 4kHz(4000Hz)以上
歌声の「空気感」が詰まった部分。
ブーストすると、空気感が強調されるが、5kHz~8kHzあたりに「サシスセソ」の「S」の発音が混ざっており、逆にカットすることもあります。
ブースト過ぎると、ノイズがのった感じになってしまうので、程々にしましょう。

■高音域 1.2kHz~2.4kHz付近
歌声の「ハリ」と「ヌケ」にあたる部分。
ここを持ち上げてやると、声が音楽の前面に出てくる。
カラオケ音源もこの辺りに楽器の高音部分が集まりやすいので、カラオケ音源と合わせて気持ち良く歌声が前に出てくる部分を探して、ピンポイントでブーストするといいでしょう。

■中音域 400Hz~800kHz 付近
歌声の「太さ」 はこのあたり。
声の芯が細い場合はこのあたりをブーストすると、歌声に厚みを持たせることができます。
250~330Hzあたりは、こもった音が集まりやすいので、逆にカットしてやるとスッキリすると思います。 

■低音域 120Hz~250Hz付近
歌声の「重み」にあたる部分です。
カットすると、歌声が全体的に「軽く」聴こえます。
ブーストすると、歌声が「重く」なってきます。
あまりいじらなくても良い場所だと思います。

■超低音域 100Hz以下
このあたりは歌声としては意味を持ってません。
録音時の雑音とかが入っているので、遠慮せずにバッサリとカットしていいでしょう。

ここで紹介した周波数帯は声質やマイク等で変わってきますので、あくまでも目安と捉えてください。

周波数の探り方

ハリが出る音域や、太さ、こもり部分などは、声質によって変わってきます。
先ほど説明した周波数帯でも、さらにその中から歌声と曲に合ったポイントを探してあげなければなりません。
そこで、ここではポイントを絞った周波数帯の調べ方を紹介します。

簡単に説明してしまうと、Qを極端に狭くし、極端にブーストした状態で周波数を探っていきます。
言葉だとわかりにくいので画像で説明します。

周波数を探す

この状態で歌声を再生しながら、ブーストした周波数帯を動かしていき、耳障りな音やこもった音のポイントを探していきカットしましょう。
また、ハリや太さのポイントが見つかれば、ほんの少しブーストしてあげると良いかもしれません。


イコライザーは基本、カットする

先ほどの説明を自ら覆す様ですが、EQは基本的に「カット」する方向で使う方が良いと僕は思います。
EQの使い方については意見が分かれる様で、専門書を読んでもブースト派とカット派で分かれていますので、正解は無いと思います。

ですが最終的に歌声は、この先コンプレッサーをかけて音圧をあげたり、リバーヴをかけたりします。
不要な音にコンプレッサーかけて音圧をあげたり、リバーヴで反響させるのは、僕は逆に音質の悪化だと考えています。
その他のエフェクトを使う前に、EQで不要な音を取り除いたほうがいいと僕は思っています。
ブーストする時は、音の美味しい部分が物足りない時やヌケが欲しい時ぐらいでしょう。

エフェクトの順番も、コンプレッサーをかけたあとにEQを使う人もいるので何とも言えませんが、どちらにしても不要部分はカットするべきなので、基本的にはカットする為にEQを使うと考えて良いと思います。


シェルビングの種類

実際にEQを使おうとすると、カットやブーストの仕方にも種類があるのに気づくでしょう。
シェルビングとは、カットやブーストの仕方を決めるものですので、最後にしっかりと覚えておきましょう。


■Low Shelf & High Shelf

Low shelf


シェルフとは「棚」の意味です。画像の様に棚を持ち上げたり、下げたりするイメージで、カット&ブーストします。
「Q」を調整することで、棚の角度が鋭角になったり、緩やかなカーブを描いたりします。

■High Pass & Low Pass

High Pass


低音域に設定するのが「High Pass」で、高音域に設定するのが「Low Pass」 です。
画像は「High Pass」です。

High と Low が逆に思うかもしれませんが、Passとは「通す」と言う意味をもっています。
「High Pass」=高音域を通す=低音域は通さない(カットする)と言う事なのです。

従って「Low Pass」は、高音域をバッサリとカットする役割を持ちます。

■Parametric

Parametric

一般的なシェルビングタイプです。
周波数ポイントをカット&ブーストし、「Q」でその影響する周波数帯を決められます。 

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回はPANの設定と、イコライザーというエフェクトの使い方と説明をさせて頂きました。

基本は不要な音をカットすること。
それ以外にも、声のハリや太さ等も調整できる「音」の本質を操作するエフェクトです。
イコライザーは派手さは無いものの、音質を整える為にはとても大切な役割を担っていると言えるでしょう。

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次回は使い方のわかりにくい「コンプレッサー」について紹介したいと思います。 

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コメント一覧

    • 1. タカ
    • 2015年04月03日 23:41
    • 4 いつも参考にさせてもらっています。
      私はstudio one freeを使っているのですが、EQ画面にたどり着けません…。Panの設定の仕方は見つかったんですが。
      もしかして、できない仕様なのでしょうか?
      できる仕様なら、やり方を教えていただきたいです!
    • 2. 烏賊
    • 2015年04月12日 16:26
    • >タカさん
      イコライザーはエフェクト群の「Cannel Strip」です。
      エフェクトはメニューバーの「表示」から「エフェクトを表示」で一覧が表示されます。
      Cannel Stripを使用したいトラックにドラッグ&ドロップするとCannel Stripの画面が表示されると思いますよ。

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