音楽制作ソフトウェア ABILITY PRO(アビリティ プロ)とは
ABILITY / ABIRITY PROは、
INTERNET社が世に送り出す
国産のDAWです。
DAW=Digital Audio Workstation(デジタル・オーディオ・ワークステーション)とは、主にパソコンで音楽制作・編集を行う
DTM=DeskTop Music(デスクトップ・ミュージック)の核となる
ソフトウェア(アプリケーション)のことです。
※ABILITY PROスタートアップ画面
高品位なサウンドと充実した機能を持つABILITY / ABILITY PRO
ABILITYには、DAWとして充分な機能を持った「
ABILITY」と、さらにトラックやミキサー、プラグインの性能を高めた「
ABILITY PRO」の2つのパッケージが用意されています。
どちらのパッケージもDAWとしての基本性能は十分持ち合わせており、作曲やアレンジはもちろん、オーディオのレコーディング(録音)、ミキシング(ミックス)、マスタリング(仕上げ・音圧調整)、CD制作から楽譜制作まで可能です。
※ABILITY PROの画面
オーディオもMIDI(電子音楽の演奏情報)も安定した同期環境で扱え、ミキシングではPAN(音の定位)やEQ(イコライザー)などをオートメーション(曲の進行に応じて値を操作)させることも出来るため、幅広い曲作りが出来るようになっています。
※オーディオトラックにオートメーションを設定
また、AUDIOエンジンは64bit浮動小数点モードを搭載し、24bit/192kHzまでのオーディオフォーマットにも対応しているため、クリアで高いクオリティーを実現しています。
もちろん、MIDIキーボードやオーディオインターフェイスをパソコンに接続してABILITY / ABILITY PROで使うことも出来るため、自分の制作方法に合わせた使い方が出来るのです。
※MIDIキーボードとオーディオインターフェイス
DTMを始めるにあたって必要なものなどは
「これからDTMを始めるには?初心者にわかりづらいDAWの基本や必要な機材について」でも紹介していますので、併せて読んでいただけると理解が深まると思います。
ABILITYの前身は、MIDIの打ち込みに定評があり、多くのユーザーから支持されてきた
Singer Song Writer(通称:SSW)というDAWになります。
筆者もSSWは長年愛用しており、特に
スコアエディタが他の海外勢DAWに比べて非常に使いやすいので、今でも手放せないほどです。
※ピアノロールとステップエディタで細かい調整も可能
ABILITY / ABILITY PROの細かい機能については、過去に
「INTERNETのSSW後継にあたる新DAW『ABILITY』の機能と魅力に迫る!」という記事でも詳しく紹介させて頂きました。
一度目を通していただければ、その性能の高さと使い易さを理解していただけると思いますが、海外勢DAWと比べても全く見劣りしない性能を有しているDAWだということがお分かり頂けるでしょう。
ABILITYについての紹介動画もありますので、併せてご覧いただくとABILITYの全貌が見えてきます。
ABILITYにはDTM初心者に嬉しい機能が満載
さて、DTMをこれから始めようと考えているとき、
- 「初めてだけど自分に曲が作れるだろうか?」
- 「難しくて挫折したらお金がもったいない」
といった悩みは尽きないですよね。
ABILITYシリーズには
DTM初心者に嬉しい、曲作りをサポートしてくれる機能が沢山盛り込まれています。
そのなかから3つほど紹介しましょう。
メディアブラウザでお気に入りのフレーズを張り付ける
ABILITYには
メディアブラウザが搭載されており、非常に多くのオーディオ&MIDI素材が収録されています。
オーディオ素材は約70ジャンル、3900種類のオーディオデータが収録。
曲のテンポに同期したり、音程を変更できるオーディオ素材なので、音楽の知識が無くても気に入ったフレーズを張り付けていくだけです。
※画像をクリックすると拡大表示
張り付けた素材のタイプが「LOOP」であれば、ドラッグしてあげることで演奏する区間を伸ばすことが可能なので、何度も張り付ける手間も要りません。
※画像をクリックすると拡大表示
また、オーディオではなくMIDI素材も同様に約70ジャンル、3400種類のMIDIフレーズデータが収録されており、こちらは音程やリズム情報が収録されているので、音色を変えて音を鳴らすことが出来るようになっています。
曲の展開に重要なコードを自動判別してくれる
音楽というのは
コードと言われる和音が次々と変化することで、曲の表現を行います。
その和音の移り変わりを
コード進行と言いますが、音楽の知識が無い人だと最初はどのコードを選んだら良いのかわからないことも多いと思います。
曲作りに慣れていない時は
- 「メロディーは出来たのに伴奏が作れない」
- 「メロディーに合ったコードがわからない」
といった悩みも出てくると思いますし、これが難しくてDTMを挫折する人もいるぐらいです。
そんな時に役立つのがABILITYの持つ
コード判定・コード生成機能です。
試しに適当にメロディーを作って、コード判定を行ってみました。
※コード判定は小節単位から2分音符単位など、自由に設定できる
コードの候補が表示されたら視聴して、小節単位で気に入った流れのコード進行を組み立てたりも出来ます。
音楽やコードの知識が少ない人にとっては、かなり助けになる機能だと思います。
逆にコード進行を作ってからメロディーを作る人もいらっしゃると思いますが、その場合でも先ほどのメディアブラウザに
コード進行素材が含まれているので、気に入ったコード進行をドラッグ&ドロップして曲を作っていくことも出来ます。
中には結構おしゃれなコード進行も収録されているので、「似たような曲しか作れない!」と嘆いている人にとっては、新しい発見がありそうですね。
思いついたメロディーを鼻歌入力できる
メロディーを思いついて、すぐにDAWに打ち込もうとしても、思いついたメロディーの音程が何の音かわからなくて、色々な音を鳴らしてみているうちに忘れてしまった…!なんてことも慣れないうちは沢山あると思います。
自分で思いついたフレーズをDAWに打ち込むという事だけなんですが、最初は意外と難しいんですね。
そんな時に便利なのが「
シング to スコア」という機能です。
この機能を使うにはマイクが必要ですが、思いついたフレーズをマイクに向かってラララ~と歌うだけで、ABILITYが音程を自動で判断し、スコアに入力してくれるという優れもの。
※歌ったメロディーがピッチスコープで自動判定してくれる
完璧に狙った通り入力させるのは難しいですが、音程やフレーズなどをスコアに残してくれるので、それを参考にして微調整してメロディーを作り上げていくことが出来ます。
耳コピや音取りが苦手な人には結構役立つ機能だと思いますよ。
DTM初心者にこそABILITY PROがおすすめ!
ABILITYにはスタンダードなABILITYと、上位版のABILITY PROの2つのラインナップがあります。
PROと名がつくとDTM初心者には敷居が高そうに感じてしまいがちですが、基本的なDAWの仕様はどちらも同じです。
ですがPRO版にはDAW本体の機能拡張に加えて、
非常に魅力的なプラグインが収録されているので、
ソフトウェア音源や高性能なプラグインエフェクトを全く持っていないDTM初心者の方にこそ、是非おすすめしたい内容になっています。
ページの都合上、全て紹介は出来ませんが、特筆すべき4つの音源とエフェクトを紹介します。
KOMPLETE ELEMENTSが収録されている
DTM業界では圧倒的な知名度を持つ
NATIVE INSTRUMENTS社が放つ、3GB超えのソフトウェア音源集「
KOMPLETE ELEMENTS」がABILITY PROには収録されています。
収録されている
KONTAKT 5 PLAYERは3GBを超えるサンプラー音源、すなわち生音を1音1音丁寧に録音したものを音色として使用できるため、非常にリアリティーの高い音色をABILITY上で自由に演奏させることが出来ます。
その音色は1000種類を超え、ドラム専用音源やベース音源など、非常にクオリティーが高く、曲の完成度を高めるには非常に有用な音色が含まれています。
※非常にハイクオリティーな音源が使えるようになる
スタンダードなABILITYにもソフトウェア音源は搭載されているのですが、音質は断然KOMPLETEの方が良いです。
オリジナル曲を作って誰かに聴いてもらうとしたら、はやり良い音質、リアルな音色でクオリティーの高い作品を作りたいと思いますよね。
自分のパソコン上に自分が作ったスコア通りに演奏してくれるミュージシャンがいるのと同じ感覚です。
バンドサウンドはもちろん、オーケストラサウンドや民族楽器までもがばっちり収録されていますので、音色を選びながらフレーズを思いついたりすることもあるでしょう。
音質が良いと制作意欲も俄然変わってきますので、是非使ってほしい音源だと思います。
LinPlug製の良質なシンセを収録
ABILITY PROにはKOMPLETE ELEMENTS以外にも、
LinPlug製のシンセサイザーが5つも収録されています。
シンセサイザーと聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、こちらは自由に音色を作ることが出来る音源だと思っていただいて良いと思います。
音作りが苦手な方でも使えるように、あらかじめ
プリセットと言ってプロが作成した音色が登録されているので、それを使うだけでも音楽の表現の幅が広がるでしょう。
※自由度と高音質を兼ね備えたLinPlugのシンセサイザーが5つも収録
プリセットで選んだ音色から新しい音色を作って登録することもできるので、色々と触ってみると面白いと思いますよ。
最高峰のSonnoxエフェクトを収録
ABILITY PROには音源だけでなく、
エフェクトも最高に良いものを搭載しています。
Sonnox Oxfordのプラグインは普通に買うと1つで2万円前後するようなものばかりですが、ABILITY PROにはこれらが4つも収録されてきます。
収録されるのはSonnox EQUALISER&FILTER(イコライザーとフィルター)、Sonnox Limiter(リミッター)、Sonnox Reverb(リバーヴ)、Sonnox Restration(ノイズ除去)の4つで、どれも曲の完成度を高めるためには重要なエフェクトを揃えています。
※曲の完成度を高める際に非常に頼りになるSonnoxのエフェクト
Sonnoxのイコライザーやリミッター、リバーヴはどんな曲でも使えますし、歪みが無くクリアなので、長く愛用していけるエフェクトでしょう。
これらのエフェクトが収録されているだけでも、ABILITY PROは魅力的だと思います。
アンプシュミレーターGUITER RIG 5も収録
サンプラー音源KOMPLETE ELEMENTSをリリースしているNATIVE INSTRUMENTS社の
アンプシュミレーター「GUITER RIG 5」も収録されます。
アンプシュミレーターはその名の通り、ギターアンプやベースアンプをシュミレートしたものなのですが、これを使うか使わないかで、ギターやベースの音色のリアリティが大幅に変わってくるといっても過言ではないでしょう。
ギターやベースをレコーディングする人はもちろんですが、ABILITYのメディアブラウザにあるオーディオ素材に使うだけもで、ギターやベースの音像がより立体的になります。
※アンプも多くのプリセットから選べる
かくいう筆者もGUITER RIG 5は非常にお世話になっているアンプシュミレーターで、ほとんどの曲に使わせていただいているため、本当におすすめできるプラグインだと思います。
動作環境
※ABILITY パッケージ
ABILITY / ABILITY PROの動作環境は以下の通りになります。
- 対応OS:Windows Vista、7、8、8.1、10(共に32, 64bit)
※KOMPLETE ELEMENTSはWindows Vista非対応
- CPU:Intel/AMDデュアルコアプロセッサー以上
- メモリ:2GB以上
- ディスプレイ解像度:1280×800ピクセル以上
- 必要な空き容量:ABILITY Pro 16GB以上/ABILITY 3GB以上
- 高速なインターネット回線
>>関連リンク:INTERNET社 ABILITY製品情報
まとめ&レビュー
今回はDTM初心者の方向けにABILITY / ABILITY PROの紹介をさせて頂きました。
これからDTMを始めたいという人や、DAWに触れたことのない人へ、ABILITYではどんな機能が搭載されているのか少しでも知ってもらえたら幸いです。
もちろんDAWはABILITY以外にも沢山ありますが、これからDTMを始める人向けであれば
音源もエフェクトも高品位のものが揃うABILITY PROが本当におすすめだと思います。
やはり最初に手にするDAWだからこそ、使い易いもの、便利なもの、一度で良いものが揃うものがいいですよね。
筆者も実際にABILITY PROを使っていますが、スコアエディタはどのDAWよりも使い易いです。
プラグインエフェクトやソフトウェア音源も追加していくことも出来ますし、オーディオエンジンも他のDAWと遜色ないので長く使っていけるDAWだと思います。
ABILITY PRO
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Yahoo!ショッピング
サウンドハウス
追伸
仕事が忙しくて本当に久々の更新となりましたが、ようやく時間に余裕が持てるようになりましたので、またブログの方を更新していきますので宜しくお願いします。
コメントも本当に沢山頂いていてお返事出来ていないのですが、少しずつお返事を書いていければと思っています。(頂いたコメントはちゃんと全部読んでいます。)
最後まで記事を読んで下さってありがとうございました!
少しでも、このブログを読んで下さっている皆様の役に立てればと思っております。
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